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コラム

コラム:中国の消費回復は容易ならず、ロックダウンの恐怖まん延

[香港 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ロックダウン(都市封鎖)の実施と解除が繰り返されている中国は、「傷」が癒えるのに時間がかかっている。電子商取引大手JDドットコム(京東商城)とスマートフォン(スマホ)メーカーの小米科技(シャオミ)の四半期決算からは、消費者が非必需品の購入を控えている様子が読み取れ、消費が急速に回復するとの期待は打ち砕かれた。消費の回復は政府の見込みよりも遅れる可能性がある。

 8月24日、ロックダウン(都市封鎖)の実施と解除が繰り返されている中国は、「傷」が癒えるのに時間がかかっている。写真は7月25日、北京のレストランに並ぶ人々(2022年 ロイター/Tingshu Wang)

当局が上海など主要都市で実施していた厳格なロックダウンを6月に解除した後、大きな打撃を受けていたサービスセクターが持ち直したのは自然な流れだった。コロナ禍の不満を晴らす「リベンジ消費」が小売販売の回復を後押しし、政府統計によると自動車と化粧品の販売は前年比でそれぞれ14%と8%増えた。

しかしリベンジ消費は短命だった。JDドットコムが23日発表した4─6月期の売上高は市場予想を上回ったが、同社は衣料など非必需品の需要は依然として弱いとの危機感を示した。顧客はスマホなど電子製品の買い替えを先延ばしした。シャオミが19日発表した4-6月期の売上高は前年比で20%落ち込んだ。

他にも点滅している赤信号がある。キャピタル・エコノミクスのアナリストによると、自動車販売とサービスセクターの電力消費は7月にわずかに増加したが、都市間交通機関の乗客数は引き続き低迷。キャピタル・エコノミクスが算出する中国の経済活動に関する指数によると、7月の経済生産全体は前年同月比で減少した。

原因のほとんどは新型コロナウイルスの拡大を厳格に抑える「ゼロコロナ」政策にある。人々はいつ、どこで実施されるか分からないロックダウンに不意に巻き込まれるリスクを計算に入れなければならない。上海のイケアで当局が顧客を店内に閉じ込めようとした時、脱出しようとする顧客の顔に浮かんだパニックの表情を見れば明らかだ。この夏には海南島で新型コロナの感染が確認され、約8万人の旅行客が足止めを食らった。

しかし、だからといってオンラインでスマホが買えなくなるわけではない。危険なのは、消費者信頼感の悪化が慢性化することだ。例えば日本ではデフレ状態が何年も続いたため、物価は下がり続けるものだとの考えが定着し、買い物を先延ばしするのが当たり前になった。日本がなんとかこうした消費行動を変えるまで数十年間にわたり景気は低迷。しかもその変化はまだ道半ばだ。中国の貯蓄率は既に世界最高水準だが、最近の中銀の調査によると、消費するより貯蓄したいと答えた人の割合は58.3%と、過去20年間で最高となった。

景気低迷の広がりを考えて、民間部門は投資と雇用を圧縮している。サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、電子商取引大手アリババは4─6月期に人員を1万人近く削減した。中国政府が消費者の信頼感回復に手間取れば、悲観論が自己強化されるリスクは大きくなる。

●背景となるニュース

*中国の電子商取引大手、JDドットコム(京東商城)が23日に発表した第2・四半期(6月30日まで)決算は、売上高が前年同期比5.4%増の2680億元(390億ドル)だった。中核であるリテール部門の売上高は3.9%増の2420億元。

*中国のスマホメーカー、小米科技(シャオミ)が19日発表した4─6月期決算は、売上高が前年同期比20%減の702億元(102億ドル)だった。

*シャオミが調査会社カナリスのデータで示したところによると、中国の第2・四半期のスマホ出荷台数は前年比で10%減少した。世界全体は9%減だった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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