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コラム

コラム:市場は来年の利下げ予想維持、FRBに逆らうのは危険

[ワシントン 14日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 投資家は米連邦準備理事会(FRB)との間で危険な「チキンゲーム(根比べ競争)」を繰り広げている。FRBは14日、米国がインフレに打ち勝つには来年いっぱい政策金利を高水準に維持する必要があるとの考えを改めて表明。しかし市場の動きからすると、投資家はなお来年中の利下げを織り込み、景気後退(リセッション)によってFRBが金融緩和で経済を支えざるを得なくなるとみている。FRBはタカ派姿勢を後退させる気配は一切見せていないし、投資家もさらなる損失を被らないうちは譲ろうとしないだろう。

 投資家は米連邦準備理事会(FRB)との間で危険な「チキンゲーム(根比べ競争)」を繰り広げている。写真はFRBのパウエル議長。ワシントンで14日撮影(2022年 ロイター/Evelyn Hockstein)

FRBが14日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に公表した最新見通しは、投資家にとって「不都合な真実」だった。FOMCメンバーによる来年の政策金利の大勢見通しは5.1%と、現行の4.25─4.5%よりずっと高い。これを受け株価は一時急落し、市場で利下げ観測を突然見直す動きが表面化したことを物語る。

同じように11月も、パウエルFRB議長が利上げペースを緩めるにはまだ程遠いと念を押すと市場は波乱に襲われた。ところがいったんほとぼりが冷めると、投資家は再びFRBが心変わりすると自信を持つようになった。

投資家はもう一度痛みを伴うサプライズに見舞われてもおかしくない。米国債のイールドカーブは、14日のパウエル議長会見後もほとんど変化はなく、政策金利はすぐには下がらないというパウエル氏の警告を無視している。パウエル氏が、政策担当者は物価上昇率が持続的な形で2%に落ち着くと確信するまで、利下げを検討しないと発言。一方、今回FRBが公表した来年10─12月の物価上昇率見通しは9月時点の2.8%から3.1%に切り上がった。 

もっともなぜ市場が以前ほどFRBを信用しなくなっているのかを説明するのはたやすい。FRBは6月、ほんの数週間前にパウエル氏が否定した75ベーシスポイント(bp)の利上げを支持。この急な方針転換のせいで、市場が金融政策の先行きを読む上で頻繁に活用していたFRBの「フォーワドルッキング」な対話ツールは、うまく機能しなくなってしまった。

それでも投資家は恐らく、FRBの発する言葉に従った方が身のためだろう。FRBは今回のFOMCで、物価上昇率が着実に鈍化しつつあるという兆しが出てきているにもかかわらずタカ派姿勢を堅持した。だから投資家はこの結果を教訓として生かすことができる。そうしないと来年2月の次回FOMCでまた痛い目にあうリスクがある。

●背景となるニュース

*米連邦準備理事会(FRB)は14日、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げることを決定した。利上げ幅は前回までの75bpから縮小した。

*連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる来年の政策金利の大勢見通しは5.1%と9月時点から切り上がった。

*市場は来年終盤に利下げを予想。FRBが緩和に動かざるを得なくなるほど経済が弱くなるとの見方が背景にある。しかしFOMCメンバーの想定では利下げは2024年以降で、市場の見方と異なっている。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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