June 11, 2020 / 12:36 AM / 21 days ago

コラム:FRB、追加策出さず景気回復の道のり見極め

[ニューヨーク 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)の悪影響に対抗して早期から積極的な緩和策を講じたが、10日までの連邦公開市場委員会(FOMC)では、ほぼ何の追加策も打ち出さなかった。当面の使用可能な政策手段を使い尽くしたかのようだ。

米FRBは新型コロナウイルスのパンデミックの悪影響に対抗して早期から積極的な緩和策を講じたが、10日までのFOMCでは、ほぼ何の追加策も打ち出さなかった。写真は5月、ワシントンのFRB本部(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

パンデミック後の景気回復がどのような軌道を描くのかは未知数で、これが政策にどのような影響を及ぼすのかを金融市場は見守る必要がある。

FOMCでは、3月に引き下げられたフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が0─0.25%に据え置かれた。パウエルFRB議長は当面の間、現行水準を維持する考えを示し、当局者の金利見通しでは少なくとも2022年まで実質的に利上げはないとの予測が示された。

パウエル氏はFOMC声明後の記者会見で「利上げについては検討することさえも考えていない」と強調。また、2008─09年の金融危機に対応した際よりも広範かつ強力に実施している債券買い入れプログラムの現行ペースを維持すると確約した。

FRBは一方、欧州中銀(ECB)や日銀が採用しているマイナス金利政策の導入を見送ってきた。FRBの当局者が同政策の有効性を認めている様子は見られない。

これはある意味、FOMCメンバーが5月雇用統計の予想外の改善によって示された、足元で始まりつつある景気回復の行方を見極めるため、用心しながら新たな行動を控えていると物語っている。

新型コロナ対策の封鎖措置が緩和され、米経済の活動は徐々に再開している。国内総生産(GDP)や失業率などの指標が急速に改善すれば、恐らくFRBは既に十分な措置を講じたのだろう。そうでければ、FRBは政策を追加で動員できる状態を維持する必要がある。

無論、FRBができることには限りがある。大規模な債券買い入れプログラムは、新型コロナ危機で生じた市場機能の問題を必要以上に修正したと言えるし、超低金利は企業の借り入れと投資への障害を既に取り除いた。

ただ、FRBは分断されたサプライチェーン(供給網)を直したり、国内外の動揺した消費者にお金を使うよう強いることはできない。パウエル議長は経済への長期的なダメージについて懸念しているが、どれほどのダメージが既にもたらされたかについては誰も知らない。

●背景となるニュース

*FRBは9─10日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くと同時に、異例の経済支援を継続すると改めて表明した。

*昨年12月以来初めての公表となった経済見通しでは、少なくとも2022年まで翌日物金利がゼロ近辺にとどまるとの予測が示された。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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