March 17, 2019 / 12:36 AM / 4 days ago

コラム:米巨大IT企業、規制当局と仲良くすべきか

[サンフランシスコ/ニューヨーク 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国の巨大IT企業は規制当局の土俵に乗る必要が出てきている。

 3月11日、米国の巨大IT企業は規制当局の土俵に乗る必要が出てきている。写真は野党・民主党の急進左派で大統領候補指名が有力視される1人のエリザベス・ウォーレン上院議員。テキサス州で9日撮影(2019年 ロイター/Sergio Flores)

次期大統領選への出馬を目指す議員や政治家は、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)やフェイスブック(FB.O)、アルファベット(GOOGL.O)子会社グーグル、さらにはアップル(AAPL.O)さえも解体する方策を巡らせつつある。

だからそうしたさまざまな規制との闘いに明け暮れ、規制自体の策定に加わろうとしない企業は、後悔するかもしれない。

野党・民主党の急進左派で大統領候補指名が有力視される1人のエリザベス・ウォーレン上院議員は8日、世界全体の売上高が250億ドル以上のオンライン企業を「プラットフォーム公益事業者」に指定することを提案。この指定を受けると、例えばアマゾンの第三者向けマーケットプレースは、バッテリーなどの家庭用品を販売する部門と分離を迫られる恐れがある。

既に取引が完了した合併・買収(M&A)も無事では済まなくなり、フェイスブックのワッツアップやインスタグラム買収は、理論的には取り消されてもおかしくない。

同じ民主党から大統領選に出馬を表明しているエイミー・クロブシャー上院議員は、競争を阻害する懸念があるM&Aについてさらなる監視の強化を求めている。また超党派の動きも見られ、連邦取引委員会(FTC)は最近、似たような問題を検討する専門チームの設置を発表した。カリフォルニア州の新プライバシー法も、米国内でさまざまな規制体系が混在するリスクを避け、連邦政府の法制度と足並みをそろえるべきだという根拠となっている。

アップルやセールスフォース(CRM.N)、スナップ(SNAP.N)は規制強化にほぼ全面的な支援を申し出ている。しかしこれまでのところ、フェイスブックとグーグルはそれほど熱心ではなく、監督は快く受け入れるとしながらも、具体的にどのような形になるのか警戒感も表明している。

アルファベットとアップル、フェイスブック、アマゾンの4社、いわゆる「GAFA」の合計時価総額は3兆ドルに迫り、S&P総合500種全銘柄の時価総額の10%超に相当する。これらの企業は、ユーザー情報を収集することで多額の利益を生み出してきた半面、データ不正流出事件は増加している。

ウォーレン氏の巨大IT企業解体案でこうした問題は解決できないかもしれない。しかし提案自体に大事な意味がある。つまり標的になった企業が規制整備に関与しなければ、彼らは自分たちにとって不適切な選択肢を突きつけられかねない。

AT&Tt.Nやマイクロソフト(MSFT.O)はかつてその規模や影響力によって独占禁止当局に目をつけられた。実際AT&Tは約40年前に分割され、マイクロソフトはソフトウエアツールを第三者と共有せざるを得なくなった。

マイクロソフトへの当局の圧力がグーグルの登場につながったというウォーレン氏の主張は話を単純化させているきらいはあるものの、その教訓は今なおはっきりしている。巨大IT企業にとって最善の策は、規制当局と仲良くなることだ。

●背景となるニュース

・民主党のエリザベス・ウォーレン上院銀は8日、大統領になったあかつきにはアマゾンやフェイスブック、グーグルの解体に取り組むと表明した。

・ウォーレン氏は、世界全体の年間売上高が250億ドル以上でオンライン上で取引市場や第三者とつなぐ手段を提供している企業を「プラットフォーム公益事業者」に指定し、プラットフォームの出店企業の所有や第三者とのデータ共有を禁止することを提案した。

それに基づくとアマゾン・マーケットプレースと、アマゾンの自社ブランド家庭用品販売会社アマゾン・ベーシックスは切り離される。グーグルの広告事業と検索エンジンも別になる。

・ウォーレン氏は、既存の手段を行使して「反競争的合併」を取り消すと約束した人物を規制当局者に任命する方針も打ち出した。取り消し対象として挙げたのは、アマゾンのホールフーズ買収やフェイスブックのワッツアップ、インスタブラム両社買収などだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below