February 13, 2014 / 4:23 AM / 4 years ago

コラム:欧米金融政策に頼れぬ市場、再び炎上も

Ian Campbell

[ロンドン 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 1月は新興国経済をめぐる噴煙が投資家の目に染み入る展開となったが、金融市場は落ち着きを取り戻している。

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が下院で行った定例証言もある程度ハト派的な内容で、ひとまず安堵感を誘った。しかし懸念すべき十分な理由がいくつかある。

イエレン議長は、海外市場のボラティリティが米経済の先行きに大きなリスクを生まないと発言した。FRBが国内情勢だけに目を向けると世界的に不評を買うが、かといって海外に関心を向け過ぎれば米国に悪影響を及ぼしてしまう。

アジアや中南米に危機が起きた1998年終盤に、当時FRB議長だったグリーンスパン氏は3回の利下げを実施。米国のインターネット株は高騰し、その後急落して経済成長に打撃を与えた。FRBはこうしたバブル形成と崩壊の経緯から教訓を学ぼうとしている。

今の状況は当時と似ている。FRBとしては、量的緩和縮小を中止して新たに資金を供給しようと思えばできる。緩和縮小をやめれば米国や世界の金融資産が値上がりするのは確実だが、同時に昨年米国株が大幅高となった後だけにバブルのリスクを高めるだろう。

そして大規模な量的緩和を維持することで得られる経済的なプラス効果は疑わしい。イエレン議長は、物価上昇率をFRBが目標とする2%まで押し上げたい考えを示したが、金融政策ができることには限界がある。2008年以降、FRBのバランスシートは4倍に膨らんだのに、現在の物価上昇率は1.5%にとどまっている。

欧州中央銀行(ECB)も、ユーロ圏で追加緩和が適切かどうかを検討する上で、そうした米国の例を念頭に置いている可能性がある。ユーロ圏の物価上昇率は0.7%と非常に低いとはいえ、疑念が持たれているのは潜在的な量的緩和の効果だけにとどまらない。ユーロ圏の断片的な市場に政策をあまねく適用するのは難題であり、ドイツからの異議申し立ても招きやすくなる。ECBとしては政策効果どころか合法性まで試されるような措置を講じるよりは、2016年までに物価が上向くとの期待にすがる道を選ぶのではないか。

金融市場は現在平静を保っているが、米量的緩和の縮小に順応するのは難しいことが判明しそうだ。新興国市場がまた炎上し、緩和マネーを支えに価格が上昇してきた先進国の債券や株式も再び痛手を被る可能性がある。これに対してFRBとECBはいずれも、性急に緩和のホースを配備しそうにはない。

●背景となるニュース

*アジア株は12日までに4日続伸し、それはFRBのイエレン議長による下院定例証言に反応した面もあった。議長は、経済活動が緩やかなペースで拡大するとともに向こう数年で物価上昇率が2%に戻っていくとの見通しを示し、国際金融市場における最近のボラティイティを注視していると述べた。

*欧州経済センター(ZEW)のフュースト所長は10日、ECBの国債買い入れ策(OMT)がドイツ憲法裁判所の動きによって弱体化したと発言した。ドイツ憲法裁は、OMTをめぐる訴訟の最終判断を欧州司法裁判所に付託するとしたものの、OMTがECBの業務範囲を超えているとの解釈も示した。

*筆者は「ReutersBreakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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