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コラム

コラム:中国美団の四半期決算、中核事業以外はいまひとつ

[香港 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の食品デリバリー大手、美団が投資家に届けた1―3月期決算は、一部に冷めた料理が混ざっていた。中核事業の売上高は32億ドルと前年同期の2倍以上に膨らんだが、新規分野への進出が営業損失につながった。規制当局の調査次第では事業全体が台無しになる恐れもある。

 中国の食品デリバリー大手、美団が投資家に届けた1―3月期決算は、一部に冷めた料理が混ざっていた。写真は同社のデリバリーサービスの配達員。北京で昨年7月撮影(2021年 ロイター/Tingshu Wang)

パンデミックを機に中国市民の食習慣は変わった。今ではおおむね元通りの生活に戻ったとはいえ、第1・四半期の美団の食品デリバリー受注は1日平均3200万件と、前年同期の倍以上に増えている。

売上高の半分以上を占めるこの部門は、順調な受注の伸びと配達員手当の減少が寄与して営業損益が昨年の赤字から黒字に転換。旅行やホテル予約などの部門も回復した。

しかし、これら以外の分野の業績は失望を誘うものだった。同社はオンラインの生鮮食品販売や共同購入サービスにも積極的に進出しているが、こうした新規分野の営業損失は6倍近くに拡大。このため全体の純損益は7億6100万ドルの赤字となった。リフィニティブが公表したアナリスト予想平均によると、美団は今年1年間で19億ドル程度の純損失を出す見通しだ。

当局は今、美団がレストランや商店に他社プラットフォームを利用しないよう強制した疑いで、独占禁止法上の調査を行っている。売上高の10%という最大限の罰金が科されれば、同社が予想する2021年の営業キャッシュフローは簡単に吹き飛ぶだろう。

また中央政府が試行中の新法により、美団は配達員に傷害保険を提供するよう義務付けられる見通しだ。同社の利ざやは非常に薄いが、そこに保険コストが食い込むことになる。また当局は共同購入サービスに関し、美団や競合他社に「不適切な価格設定行動」を巡って罰金を科した上で、その他の慣行の取り締まりにも乗り出している。

決算発表を受け、美団の株価は31日の市場で一時、大幅上昇したが、2月の高値からは40%近くも下がっている。中核の食品デリバリー事業と新規分野の両方に負荷がかかっているだけに、株主が多額の赤字を看過できなくなる時は遠くないかもしれない。

●背景となるニュース

*美団が28日発表した1―3月期決算は、売上高が370億元(58億ドル)と、前年同期比121%増加した。純損失は48億元と、前年同期の16億元から膨らんだ。

*食品デリバリー事業の営業損益は、7000万元の赤字だった前年同期から11億元の黒字に転換した。

*美団は配達員の扱いを巡って市民の批判を浴びている。大半の配達員は基本的な社会保険や医療保険でカバーされていない。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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