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コラム

コラム:効果限定的な米追加対策、バイデン氏に必要な発想の転換

[サンフランシスコ 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 長年にわたってワシントンの政界にどっぷりと漬かってきたバイデン次期米大統領は、そうしたインサイダーとしての思考からもう少し離れた立場に身を置けば、場当たり的な側面が目立つ新型コロナウイルス追加経済対策を根本から作り直せるはずだ。議会がようやくまとめ上げた9000億ドルの対策はないよりましだがなお不十分で、統一性を欠くために効果が限られる。つまり今後さらなる支援が求められるだろうが、次は政治的な意思と発想の転換が是非とも必要だ。

 長年にわたってワシントンの政界にどっぷりと漬かってきたバイデン次期米大統領は、そうしたインサイダーとしての思考からもう少し離れた立場に身を置けば、場当たり的な側面が目立つ新型コロナウイルス追加経済対策を根本から作り直せるはずだ。写真はバイデン氏。デラウェア州ウィルミントンで19日撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

議会指導部が20日に合意した追加策の内容は、感染第1波がもたらした経済の痛みに後追いする形で対応しているにすぎない。3つの大学の調査によると、11月の貧困率は6月から2.4ポイント上がって11.7%になった。ゴールドマン・サックスのソロモン最高経営責任者(CEO)は先週CNBCテレビで、中小企業は給与保証プログラム(PPP)を通じて確保した資金の90%を使い果たしていると語った。

そこで打ち出された追加策には、年収7万5000ドル以下の国民に現金600ドルを給付することが盛り込まれた。給付額は春の対策の半分だ。失業保険支給額は再び上乗せされ、今回は週300ドルと決まった。また中小企業支援には2840億ドルが拠出される。

ただこれらの措置は欠点がある。例えば各州には失業保険申請が殺到したため処理が滞っており、センチュリー財団の調べでは、申請者に占める受給者の比率は6割程度にとどまり、申請から支給まで最長で7週間かかっている。一方でPPPは不正が横行し、大企業に資金が流れる傍らで、多くの零細企業に必要な資金が行き渡っていない。

今冬の新型コロナ感染者急増で、米経済の土台は弱体化が続くだろう。12日までの週の失業保険新規申請件数は9月以降で最悪の水準を記録。北東部を襲った吹雪で多くの飲食店が完全に休業しており、もう二度と営業を再開できない恐れもある。

さらなる支援金が不可欠になるが、複数の種類がある所得補償プログラムは整理しなければならない。英国のように、現金給付と失業保険は1つにまとめられる。英国ではこれによって休業を強いられた労働者の給与の8割、最大で毎月約3400ドルをカバーできた。そのおかげで英国の失業率は1-3月から8-10月にかけて1%ポイント弱しか上昇せず、4.9%で踏ん張っている。

中小企業の視点では、銀行経由の融資よりも、10万ドルを上限とする政府保証供与の方が有効だろう。支離滅裂になった政策を立て直せば、特に議会の与野党対立が深刻化する中では、バイデン氏にとって相当大きな政治的得点になる。それだけでなく、政府予算が適切に使われる道も確保してくれる。

●背景となるニュース

*米議会指導部は20日、新型コロナウイルスで打撃を受けた企業や家計を支援する9000億ドル規模の追加経済対策法案を取りまとめた。600ドルの現金給付や週300ドルの失業保険支給金上乗せに加え、2840億ドルの給与保証プログラム(PPP)を含めた約3250億ドルの企業支援措置などが盛り込まれている。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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