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コラム

コラム:みずほへ風当り強まる、日本のエネルギー政策に一石

気候変動問題を巡りみずほフィナンシャルグルーへの風当たりが強くなっている。石炭やその他の化石燃料への融資を削減するよう要請する環境NPOの株主提案に、日欧の株主が同調したのだ。 写真は東京品川の火力発電所。2012年10月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[香港 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 気候変動問題を巡りみずほフィナンシャルグループ8411.Tへの風当たりが強くなっている。石炭やその他の化石燃料への融資を削減するよう要請する環境NPOの株主提案に日欧の株主が同調したのだ。日本が新型コロナウイルス問題で緊急事態を宣言し、経済が急速に落ち込んでいる今は、このような争いをする好機とはいいがたい。そもそも、みずほは国家のエネルギー政策を任されている存在でもない。

日本のNPO法人、気候ネットワークは株主提案のなかで、みずほを石炭火力発電所デベロッパーへの世界最大の民間の貸し手と評した。これに対し、みずほは、環境への影響低減に取り組み、公平を期しているとし、国内石炭需要のけん引役ではないと主張している。

日本は2015年、地球温暖化ガスの排出量を2030年までに、2013年比26%削減すると表明した。こうした低い目標を掲げておいて、日本政府はインドネシアやベトナムなどの国の石炭火力発電所建設に融資を続けてきた。米紙ニューヨーク・タイムズは2月、日本が向こう5年間で22もの石炭火力発電所の建設を計画していると報じた。

他国が再生可能エネルギーにシフトするなかで、日本が脱石炭に及び腰な背景には、2011年の東日本大震災がある。東京電力の福島第1原子力発電所に津波が襲い、炉心溶融を起こした。かつて日本の電力の約3分の1を担っていた原子力発電は、福島第1原発事故を機に有権者から忌避されるようになった。地形的制約から再生可能エネルギーへの急転換が難しいという事情もある。日本エネルギー経済研究所(IEEJ)のデータによれば、2019年の発電の4分の3が化石燃料による発電だった。

ノルウェー最大の年金基金など欧州の株主が支持した株主提案は、たとえノルウェーの運用資金が原油売却収入を原資にしているとしても、正しい意図に基づいている。

果たして、この件はどのようにして先に進むのだろうか。

日本企業は最近、物言う株主の圧力を巧みに跳ね返している。しかも、いま人々の心配事は地球温暖化よりも新型コロナとリセッションだ。ただ、この問題を取り上げるのに、みずほがまずい立場にあるというわけでもない。日本をダーティーなエネルギーから脱却させる戦いは、新型コロナよりも長期にわたるだろう。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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