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コラム

コラム:ミャンマー再び軍部支配に、投資フロンティアの輝き失う

 2月1日、投資のフロンティアとしてのミャンマーの明るい未来に、にわかに暗雲が垂れ込めてきた。写真は2013年10月、英ベルファストで撮影(2021年 ロイター/Cathal McNaughton)

[香港 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 投資のフロンティアとしてのミャンマーの明るい未来に、にわかに暗雲が垂れ込めてきた。ミャンマー国軍は1日早朝、アウン・サン・スー・チー国家顧問ら与党国民民主連盟(NLD)幹部の身柄を拘束した。同国は再び孤立状態に陥り、そこからの回復は痛みを伴う可能性がある。

国営テレビが放送休止となったこともあり、1日朝の国軍の行動を巡る状況は不明瞭だった。NLDが勝利した昨年11月の総選挙について、国軍は不正があったと主張しており、クーデターへの懸念は高まっていた。このような展開は、経済発展が最も遅れている市場を支持する、心臓に毛が生えた投資家にとっても厳しい。

5年前、ミャンマーは魅力あふれる国となった。ヤンゴンの最高級ホテルには、シンガポールと香港の投資家が鉢合わせし、その他の訪問者もいた。軍政から民主制への移行が進み、2015年の総選挙でNLDは勝利。長く自宅軟禁に処せられていたアウン・サン・スー・チー氏は国家顧問の座に上り、米国は同国への制裁を解除した。天然資源に富み、5000万人の潜在的消費者を抱える国には次々と資本が流れ込んだ。

ノルウェーのテレノールとカタールのオレドーは2013年、ミャンマーの携帯電話網敷設契約を受注した。その数年後、キリンホールディングスは5億6000万ドルを投じて、ミャンマー最大手のビール会社の過半数株式を取得した。世界銀行のデータによると、2010年から19年の海外からミャンマーへの直接投資は370億ドルで、それ以前の10年間より40%増えた。昨年12月には、買収ファンドCVCファンドが同国最大手の通信インフラ会社買収で合意していた。

ただ、2017年の軍による少数民族ロヒンギャ取り締まりが難民危機を引き起こして以降、ミャンマーの魅力は薄れてきていた。ノーベル平和賞を受賞したスー・チー氏は、国内では人気が高かったが、国際社会の信頼を失い、最近は戦争犯罪を犯した可能性があると認めていた。

キリンは先月、ミャンマーの合弁パートナーについて、軍との関係が独立調査で否定できなかったとし、投資について確定的な結論に至らなかったと明らかにした。世界的な新型コロナウイルス禍、その他の地政学的不安定要素と相まって、今回の事態はミャンマーの展望を一段と怪しくさせる。他のフロンティア市場が魅力的に映るかもしれない。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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