July 17, 2020 / 1:27 AM / a month ago

コラム:ネットフリックス、足元逆風もFAANGトップは揺るがず

[ニューヨーク 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米動画配信サービス大手ネットフリックス(NFLX.O)の株主には、厳しい現実が突きつけられている。契約者の伸びが鈍化しつつあり、共同創業者のリード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)はその職務を別の1人と分かち合うことを決断した。

 7月16日、米動画配信サービス大手ネットフリックスの株主には、厳しい現実が突きつけられている。ロサンゼルスで2018年7月撮影(2020年 ロイター/Lucy Nicholson)

これだけで、すでに株価は時間外取引で約10%急落した。それでも同社の株価の年初来上昇率は60%で、フェイスブック(FB.O)、グーグルの親会社アルファベット(GOOGL.O)、アップル(AAPL.O)を優に超えており、「FAANG」銘柄の中では最もとがった、異彩を放つ銘柄であり続けている。

ネットフリックスの第2・四半期の契約者は1000万人強増加し、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の800万人増を上回った。問題はその勢いが鈍っていることだ。背景には、新型コロナウイルス対策で実施されていたロックダウン(封鎖)の解除がある。同社も9月末までの契約者の純増は300万人を下回るとみている。

こうした状況のせいで、最高コンテンツ責任者のテッド・サランドス氏を共同CEOという何ともぎこちないポジションに昇格させる人事を発表するには、ふさわしくないタイミングになってしまった。サランドス氏はハリウッドで最も力のあるプロデューサーの1人で、至極妥当なトップ引き継ぎ計画なのは間違いないが、一方で創業者が追随者たちの意向に従う態勢に入ろうとしているようにも見えてしまう。

もっとも、ネットフリックスについて語られるのは主として期待値の高さだ。今年に入ってネットフリックスの株価はFAANGの中でもフェイスブック、アップル、アルファベットを圧倒的にアウトパフォームしてきた。互角の値動きを見せたのは、パンデミック期間中の必須サービスだったことが証明されたアマゾン(AMZN.O)だけだ。だとすれば、ある程度の調整は健全なのかもしれない。ネットフリックスの株価収益率(PER)は、向こう12カ月の予想利益の67倍だ。新型コロナが実質的にコンテンツ製作をストップさせていなければ、手元現金は第3・四半期に費消してしまったろうし、あるいは少なくとも来年いっぱいはそんな状況だっただろう。

もちろん顧客の選択肢は広がってきており、新規の視聴者獲得は一段と難しくなっている。プロスポーツチームはシーズン開始に向けて準備中で、メジャーリーグと全米プロバスケットボール協会(NBA)は間もなく試合の放映を始める。ネットフリックスの競合サービスもようやく始動しつつある。コムキャスト(CMCSA.O)は15日に動画配信サービスのピーコックを立ち上げ、AT&T(T.N)のHBOマックスは5月に配信を開始した。FAANGの他のメンバーと異なり、ネットフリックスは独占禁止当局に目を付けられていないが、それはつまり市場において優越的な地位が明白ではないからだ。

それでもネットフリックスは、決して譲り渡しそうにない強固な地歩を築いている。忍び寄ってきた景気後退、あるいは景気減速により、消費者は支出を削減する恐れがあるものの、矛先がネットフリックスに向くことはない。モフェットネーサンソンが行った調査では、人々が懐具合の悪化を一番の理由として、有料テレビの契約を打ち切って、ネットフリックスのような動画配信サービスに切り替えていることが分かった。ヘイスティングスCEOが創造した事業モデルは、まだその有効性を失っていない。

●背景となるニュース

*ネットフリックスは16日、第2・四半期に差し引きで1000万人強契約者が増加したが、その後は年内いっぱい契約者の伸びが鈍化するとの見通しを発表。リフィニティブによると、アナリストは第2・四半期に800万人増を予想していた。世界全体の契約者数は1億9300万人。

*第2・四半期売上高は前年比25%増の61億ドル。利益は7億2000万ドル、1株当たり1.59ドル。前年同期はそれぞれ2億7100万ドル、0.60ドルだった。

*サランドス最高コンテンツ責任者が共同CEOに昇格すると発表。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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