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コラム

コラム:後払い決済BNPL好調、顧客債務膨張リスクに直面へ

[ロンドン 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - スウェーデンのクラーナやオーストラリアのアフターペイなど後払いサービス「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」を提供する決済事業者は、顧客つなぎ止めのため、サービスの対象を買い物から通院や納税など定期的な支払いへと広げている。利用者の債務膨張のリスクが高まりそうだ。

 12月21日、スウェーデンのクラーナやオーストラリアのアフターペイなど後払いサービス「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」を提供する決済事業者は、顧客つなぎ止めのため、サービスの対象を買い物から通院や納税など定期的な支払いへと広げている。写真はペンシルベニア州キング・オブ・プルシアでブラックフライデーのセールを楽しむ人たち。11月26日撮影(2021年 ロイター/Rachel Wisniewski)

BNPLは若者が金曜夜に出かけるための服など、金額が比較的小さい商品を分割払いで購入する電子商取引(EC)サイトで人気を博した。顧客はローン返済日を設定するだけで、雪だるまのように増える金利を払わなくてもよい。消費者金融業界で最もホットなトレンドの1つだ。

モメンティブが8月に実施した世論調査によると、米国では昨年、国民の20%がこのサービスを利用した。メルカトルによると、コロナ禍で買い物のほとんどがオンライン経由となった昨年の融資額は米国だけで年間390億ドルとなり、前年の10倍に急増した。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミックによる活況は、短命に終わるかもしれない。モルガン・スタンレーのアナリストによると、欧州における購入総額は今年6月までの1年間に約90%伸びたが、2024年までに伸び率は年間22%に鈍る見通しだ。

米決済大手のペイパルや銀行が市場に参入し、競争は激化。さらにミレニアル世代が年齢を重ねて経済的に余裕が出てくると、ローン残高の限度が高く、特典を備えたクレジットカードに乗り換える恐れもある。

競争力を維持するためにBNPLは、ファッションや美容といった得意分野以外にもサービスを広げようとしている。フェザーペイは、医療サービス業者がより長期の分割払いオプションを提供できるよう支援している。

ワイズタックは、住宅や自動車の修理費の支払いを支援。クラーナは、旅行計画アプリのインスパイロックを買収した。

ゴールドマン・サックスが後ろ盾となっているZilchは、約2ポンドの定額料金で、特定の小売業者のウェブサイトだけでなく、どこでも支払いができるサービスを英国で展開している。

顧客は食料品、公共料金、税金に至るさまざまな支払いに同社のバーチャルカードを利用可能で、クラーナなど他の複数のBNPLが同様のサービスを導入している。アフターペイはサブスクリプション(定額制)形式の分割払いサービスを提供している。

BNPLのビジネスモデルは、金融環境が悪化し消費者の債務不履行が増えるという試練を味わったことがない。金利がまだゼロに近いため、実質的にタダで商品を提供するための資金調達コストは限定的だ。

だが、こうした状況は長くは続かないだろう。金利が上昇すればBNPLは商品の範囲を広げようと争い、融資の焦げ付きは増える。株主は、より困難な道のりを覚悟すべきだ。

●背景となるニュース

*BNPLの豪アフターペイは11月24日、米国とオーストラリアで来年からサブスクリプション(定額制)サービスを開始すると発表した。

*スウェーデンの同業クラーナが11月26日に発表した1─9月決算は、純営業利益が98億クローナ(10億8000万ドル)と前年同期比40%増加した。税引き前損益は31億クローナの損失で、赤字幅が前年同期の8億クローナから拡大。貸倒損失は16億クローナから29億クローナに膨らんだ。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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