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コラム

コラム:パウエルFRB議長、汚名返上には倫理規定改革を

[ワシントン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)高官の株式取引問題は一段と深刻さを増している。今度はパウエル議長が、経済支援の先頭に立っていたさなかの昨年、株式投資信託を100万ドル以上売却していたことが明らかになった。他のFRB高官の株式取引やパウエル議長再任の可能性が注目を集めているだけに、FRBトップによる大量の投信売却はいかにも印象が悪い。ただ、汚名を返上する方法はある。

米連邦準備理事会(FRB)高官の株式取引問題は一段と深刻さを増している。写真はパウエル議長。ワシントンで7月撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)

パウエル氏が売却した投資信託は代表的な株価指数に連動するインデックスファンドで、当局者に明確な利益相反を引き起こす可能性は低い。1社や2社の取引がファンドの評価額に大きく影響することはないからだ。一方、パウエル氏の場合と異なり、ダラス地区連銀のカプラン総裁とボストン地区連銀のローゼングレン総裁の場合は取引したのが個別株で、これが両氏の早期退任につながった。ただ、FRBの政策が市場に広く影響を与える中、資産公開で明らかになったパウエル氏の大規模な取引は、改めて厳しい目を向けられたことで不適切に感じられるようになった。何しろ、パウエル氏は学界出身の過去の議長に比べてコミュニケーション能力に長けているはずだった。

パウエル氏の取引は既存の規則に違反していないが、現行の規制があまりにも曖昧なことが浮き彫りになった。エリザベス・ウォーレン上院議員などFRBに批判的な議員は、議員自身の取引に関する規制がもっと緩いことを肝に銘じるべきだ。少なくともFRB当局者や議員、その他同様の立場にある人々については、個別株の保有を禁止すべきだ。FRBは現在、銀行株を保有することが禁じられているほか、連邦公開市場委員会(FOMC)前のブラックアウト期間中は一切の株式取引が禁止されている。

しかしFRBの信頼性がその独立性に依拠していることに鑑みると、FRBの基準は最高水準であるべきだ。FRBの幹部に対して在任中は投資を、保有者の意思が介在しない「白紙委任信託」に移すよう義務付ければ利益相反を防ぐ明確な手段となるし、緊急時に例外を設けることもできる。こうした仕組みが、現在進んでいるFRBの倫理規則見直し後の勧告に盛り込まれるのではないか。パウエル氏は何としてもそれを実行に移すことで模範を示すことができる。

パウエル氏としては、過失の余地を残すのではなく、こうした取り組みが指導力を示すシグナルとなって確実に伝わるように、慎重にメッセージを発する必要があるだろう。この点はバイデン大統領がパウエル氏の再任を検討する際に大きな影響を及ぼしかねない。2人の地区連銀総裁を巡る問題により、オンライン賭けサイト「プレディクトイット」では既にパウエル氏再任の確率が9月中旬の90%から70%程度に下がっている。しかしパウエル氏には挽回のチャンスがある。

●背景となるニュース

*今年の資産公開によると、パウエル議長は昨年10月1日にバンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドで100万-500万ドル相当のポジションを売却していた。

*FRBはダラス地区連銀のカプラン総裁とボストン地区連銀のローゼングレン総裁が昨年中に個別株を取引したことを開示し、その後9月に両総裁は引退を表明。エリザベス・ウォーレン上院議員をはじめ議員から批判を浴びている。

*来年2月に任期が切れるパウエル議長は、倫理規定の見直しを命じた。バイデン大統領は同氏の再任を検討している。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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