August 27, 2014 / 1:12 AM / 6 years ago

コラム:S&P500の大台突破は「ニューノーマル」になるか

[ニューヨーク 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - S&P総合500種が25日の取引時間中に初めて2000の大台を突破したことで、市場に「新たな標準(ニューノーマル)」が生まれたと考えたくなる。しかし、新しいパラダイムには眉に唾をつけてかからなければならない。

 8月25日、S&P総合500種が取引時間中に初めて2000の大台を突破したが、金融市場において新パラダイムというものは得てして長続きしない。写真はニューヨーク証券取引所(2014年 ロイター/Brendan McDermid)

株価収益率(PER)は20倍未満と過去の平均をわずかに上回るだけで、金利水準もまだ低い。だが国内総生産(GDP)との比較で見た米企業利益はピークに達している。この利益が長期的な平均に戻ると想定すれば、S&P総合500種は3分の1程度下落してしまう。

S&P総合500種銘柄のPERの過去平均は15倍強。現在はこれよりやや高いとはいえ、過去のピーク水準は大幅に下回る。つまり一段の株価上昇余地があることを示唆する。ただ、PERが再び過去平均並みになれば、S&P総合500種は1500強へと、今の水準からほぼ25%下がることになる。

低金利も持続的な株高の支えだ。米連邦準備理事会(FRB)のモデルの前提として知られる理論に、株式の益回りは長期国債利回りと等しくなるはずだというものがある。もっともこのモデルは1990年代はおおむね通用したが、それ以降は正確性を欠くように見える。同モデルの計算では、足元の米10年債利回りが2.4%なら、S&P総合500種は4200程度となる。

ただ、他の指標からはS&P総合500種がいずれ下落することがうかがえる。例えば米商務省経済分析局の統計によると、今年3月までの1年間の税引き後企業利益の対GDP比は平均10.8%で、2012年に記録した過去最高に迫っており、過去60年余りの平均の7.2%をはるかに上回っている。

グローバル化とアウトソーシングによるメリットが米多国籍企業の利益率を大きく押し上げた面はある。しかし低コストでの借り入れの貢献度もそれなりで、これは永遠には続かない。今後企業利益が下振れ、対GDP比で過去平均程度になるとしたら、今のPERで考えると、S&P総合500種は約33%下がって1300強となるだろう。

金利はしばらく低水準にとどまり、米企業が達成した利益率拡大の一部も、少なくとも当面は維持できるかもしれない。しかしそれは金利の動きが逆になった場合の悪影響も強力になることを意味する。金融市場においては、新パラダイムというものは得てして長続きしない。

●背景となるニュース

*ニューヨーク株式市場のS&P総合500種は25日午前、史上初めて2000の大台を突破した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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