September 27, 2019 / 3:24 AM / in 17 days

コラム:米ハイテク投資で陰るソフトバンクの威光、ライバルに好機

[サンフランシスコ 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ソフトバンクグループ(9984.T)の米ハイテク業界向け投資における影響力が陰りつつある。同社と傘下の1000億ドル規模に上るビジョン・ファンドはこれまで、新興企業に数十億ドルを投じ、時には強引な出資者として割り込んできた。ただシェアオフィス「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーなど株式保有先の問題が、今後の投資ペースを鈍らせるかもしれない。それはセコイア・キャピタルをはじめとするライバルの投資企業の活動余地が広がることを意味する。ブラックストーン(BX.N)が立ち上げた新成長ファンドにとってもプラスだ。

 9月25日、ソフトバンクグループの米ハイテク業界向け投資における影響力が陰りつつある。写真は記者会見に臨むソフトバンクグループの孫正義氏。2018年11月5日、東京で撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

孫正義氏が率いるソフトバンクはその巨額投資により、ハイテク業界の情勢をさまざまな形で大きく変えてきた。配車サービスのウーバー・テクノロジーズ(UBER.N)に約76億ドルを、ウィーワークには110億ドルを出資。もっと小口の出資でさえ、新興企業の基準で見れば相当な規模に達する。例えば2017年には、不動産仲介のコンパスに4億5000万ドルを投じた。

いずれにしても、ソフトバンクの投資は、孫氏が登場する前に伝統的なベンチャーキャピタル(VC)企業が動かしていた金額よりもはるかに大きく、受け取った新興企業側は早速、売上高を伸ばしたり、場合によっては競争相手を市場から一掃するのに役立った。もちろんこうした出資には負の側面もある。事情に詳しい関係者の話では、少なくとも新興企業3社が、ソフトバンクからの出資を受け入れないなら、競争相手に資金を提供すると伝えられたという。

ところが今、ソフトバンクが手掛けてきた代表的な投資案件にほころびが生じている。最も目立つのはウィーワークの問題で、新規株式公開(IPO)を予定通りに実施できなくなり、アダム・ニューマン氏が最高経営責任者(CEO)の退任に合意した。この先ソフトバンクに損失が生じたり同社への信頼が失われれれば、孫氏の勢いは衰えてしまいかねない。

そうした事態を有利に活用できるのが、セコイアやアクセル・パートナーズといったVC企業だ。ビジョン・ファンドの大盤振る舞いで企業評価が水増しされ、より昔から新興企業への投資を手掛けていたプレーヤーは市場から締め出されていたが、彼らの資金に対する需要が再び強まるのではないか。

また、新たに参入してきたブラックストーンは、5億ドル規模の資金を動かせる数少ない投資家の1つである上に、スティーブ・シュワルツマン氏が率いる同社は多様な資産や専門性を持っているため、株式から債券まで組み合わせた資金調達方法の選択肢を提供できる。またブラックストーンが世界最大の不動産所有者であるという点でも、新興企業にさまざまなメリットをもたらすことが可能だ。同社の新興ハイテク企業投資は、ゼネラル・アトランティックから移籍したジョン・コーンゴールド氏が統括している。

他のプライベートエクイティ企業に目を向けると、アドベント・インターナショナルもハイテク投資に動きつつあり、TPGなどはもう何年間も成長ファンドを運営してきた。ソフトバンクは依然として強力な存在ではあるものの、投資した資産の雲行きが怪しくなってきたことが、ライバルにとって一筋の光明になっている。

●背景となるニュース

*ソフトバンクは、傘下のビジョン・ファンドのニューヨーク事務所を開設する。パートナーのリディア・ジェット氏が18日明らかにした。ビジョン・ファンドのニューヨークを拠点にした投資案件の1つが、ウィーワークへの出資だ。ウィーワークは16日、今月の実施が予想されていた新規株式公開(IPO)の延期を表明。共同創業者で最高経営責任者(CEO)のアダム・ニューマン氏は24日、退任と過半数議決権の放棄に合意した。 [nL3N26F4T2]

*米大手プライベートエクイティ企業ブラックストーンは、新たな成長株ファンドのための人材獲得を進めている。このファンドは、ベンチャーキャピタルと伝統的な投資会社の間に位置する企業に資金を提供する。8月にはヘルスケア投資責任者として、ナバブ・キャピタル・パートナーズ出身でカーライルでの勤務経験もあるラム・ジャガナス氏が採用された。ブラックストーンのハイテク投資を統括しているのは、ゼネラル・アトランティックで長年働いていたジョン・コーンゴールド氏だ。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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