November 7, 2019 / 2:37 AM / 4 days ago

コラム:目算狂ったソフトバンク孫会長、失敗認めてもなお懸念

[香港 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ソフトバンクグループ(9984.T)の孫正義会長は、「投資の達人」というよりも、おもちゃ屋にいる小さな子供のような色合いが濃くなり始めた。

傘下の巨大なビジョン・ファンドとデルタ・ファンドは、共有オフィスのウィーワークや配車サービスのウーバー・テクノロジーズ(UBER.N)などへの投資に関連し、50億ドルの減損損失を計上。ファンドの投資判断の誤りがこうした不振につながり、孫氏の言葉を借りれば、ソフトバンクグループが「大嵐」に見舞われた。一方、ソフトバンクグループ自身の会計の魔術などへの懸念も残る。

ソフトバンクグループは6日に発表した第2・四半期決算で、幾つかの惨たんたる数字を公表した。グループ本体とビジョン・ファンドはウィーワークに103億ドルもの大金を投じているが、ウィーワークの時価総額は今や78億ドルにすぎない。孫氏はまた、犬の散歩代行を手掛ける新興企業ワグを含む他の投資案件でも今後損失が出てくる恐れがあると警告した。

現在の時価総額が4750億ドルに達する中国電子商取引最大手アリババにいち早く2000億ドルを拠出し、ハイテク分野の投資家として名声を高めた孫氏の面影は遠ざかった。

1470億ドルまで膨らんだソフトバンクグループの有利子負債を踏まえれば、同社が成功する上ではビジョン・ファンドの投資がうまくいくかどうかが重要だ。赤字にあえぐウィーへの支援を実施したが、出資比率を80%まで高めたのを反映して連結対象にしていたら、ソフトバンクグループの負担はもっと大きくなっていた。

実際には議決権を抑え、取締役のポストも限定したため、ソフトバンクグループにとってウィーは子会社でなく関連会社の位置付けとなる。

そして孫氏が見落としている、もう1つの心配がある。同氏は決算会見の場で、自身の判断に間違いがあったと認めるとともに、支援してきたスタートアップに対する企業統治の不十分さに問題の原因を求めようとした。

もちろん統治に関する新たな指針を導入するのは歓迎すべきだ。それがあれば、ウィーから創業者のアダム・ニューマン氏をもっと早い段階で簡単に追い出せたかもしれない。

しかし、企業統治を強化してもより大きな問題、つまりソフトバンクグループが、平凡な不動産企業であるウィーワークの価値を適切に評価できなかったという事実は変えられない。

いくら孫氏が「自分が悪かった」と懺悔(ざんげ)したところで、ビジョン・ファンドの将来に対する不安や、ファンドの浮沈がソフトバンクグループを左右するという重圧に対する懸念は解消されそうにない。

第2弾のファンドを立ち上げる際に、孫氏が投資基準の厳格化を求めると投資家に請け合っても、彼らを安心させるには効果が小さ過ぎるし、遅きに失しているのではないだろうか。

●背景となるニュース

*ソフトバンクグループが6日発表した7-9月期の純損益は7040億円(65億ドル)の赤字だった。前年同期は7060億円の黒字。

*傘下のビジョン・ファンドは9月末時点で5380億円(49億ドル)の減損損失を計上した。配車サービスのウーバーや共有オフィスのウィーワークとその関連会社などへの投資の評価額が減少した。

 11月6日、ソフトバンクグループは第2・四半期決算発表で、幾つかの惨たんたる数字を明らかにした。写真は孫正義会長。2018年11月5日、東京で撮影(2019年 ロイターKim Kyung-Hoon)

*業績発表前に日中取引を終えたソフトバンクグループの株価は0.7%安だった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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