July 8, 2020 / 2:43 AM / a month ago

コラム:再選確実だったトランプ氏、景気後退突入でシナリオ一変

[ニューヨーク 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領は、新型コロナウイルスに対して文句を言う筋合いがある。少なくとも11月に再選を果たす可能性が下がったという意味では。トランプ氏は2期目に向かってかなり順調な道を歩んできたことが、1人当たり国内総生産(GDP)と物価動向に基づく信頼度のかなり高い、ある選挙予測モデルで判明していた。ところがそこで新型コロナが出現し、経済は手ひどく痛めつけられた。言い換えると、急激な景気後退(リセッション)への突入が、野党・民主党に政権奪回を最終的にもたらし得る数少ない出来事の1つとも言える。

 7月6日、トランプ氏は2期目に向かってかなり順調な道を歩んできたことが、ある選挙予測モデルで判明していた。ところがそこで新型コロナが出現し、経済は手ひどく痛めつけられた。写真は6月20日、オクラホマ州タルサで撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

イエール大学のレイ・フェア教授が開発したこの予測モデルは、かつてクリントン大統領の大統領選挙中に同陣営が使った、選挙は「とにもかくにも経済次第」という考え方が基本だ。各大統領候補は、自らかあるいは所属政党の現職が1人当たりGDPをしっかり伸ばし、物価を抑制するような政権運営をしていれば、選挙で好結果を残していた。勝因には、現職の強みなどの要素も加味される。

トランプ氏の場合、少なくとも1期目のほぼ半ばに当たる2018年11月から今年1月までは、再選を止めるのは不可能に思われた。予測モデルでは、本選で共和、民主2候補の激突になったとして民主党候補はおよそ46%の得票にとどまると見込まれていたからだ。16年の大統領選では、民主党のヒラリー・クリントン候補が得票数ではトランプ氏を上回りながらも、結局は当選に必要な選挙人数を確保できずに敗北したことは記憶にとどめておく価値がある。

トランプ氏の1期目は、オバマ前大統領の在任中に始まった金融危機後の景気回復局面がずっと継続していたとみなすことができる。19年の1年間を通じたGDP成長率の平均は2.5%前後で、物価上昇率は低い伸びにとどまり、失業率は記録的な水準まで下がった。そうした状況からすれば、民主党が既に今回の候補指名を確定させているバイデン前大統領を含め、いかなる候補であっても、当選は至難の業とみられていた。

それが全て変わってきている。確かにフェア教授のモデルは、パンデミックがあっても妥当性を持つかどうかまだ試されていない。しかし同氏は、戦争などのイベントリスクはモデルに織り込んでいる。

米議会予算局(CBO)は6月、第2・四半期のGDPがマイナス11%(年率換算でマイナス38%)に沈むとし、第3・四半期に年率プラス22%まで戻るとの見通しを示した。フェア氏のモデルにCBOの見通しを落とし込んでみると、勝つのは民主党だ。世論調査や各種市場のポジションも同じように民主党の勝利を示唆しているが、ぶれの少ないストーリーを伝えてくれるのは明らかに経済だ。民主党としてはトランプ氏を政権の座から追い落とせる理由がほかにいくらあったとしても、最後にはやはり、経済を巡る話が物を言うだろう。

●背景となるニュース

*イエール大学のレイ・フェア教授は、経済データに基づく米大統領・議会選挙の予測モデルを続けている。

*モデルに投入する主要変数は、選挙年の1人当たり実質国内総生産(GDP)成長率と、現職大統領の実質的な任期中の平均GDPデフレーター。

*2018年11月までのデータを踏まえた段階では、フェア氏は今年の大統領選本選で民主党が45.7%しか得票できないと結論付けていた。理由の一部は経済が成長を続けていたことで、現職の強みといった他の要素もトランプ氏に有利な材料とした。

*フェア氏が直近で再計算したのは今年1月までの段階で、その時点ではモデルの予測に大きな変化はなかった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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