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コラム

コラム:ウーバー、自動運転部門売却でしぼむ野心

[ニューヨーク 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米配車サービス大手、ウーバー・テクノロジーズの将来像が、次第に平凡になっていくようだ。同社は2019年の上場時に大風呂敷を広げ、自動運転車から自転車シェアリング、食品デリバリー、貨物その他幅広い事業に手を広げる野望を示した。それなのに今、コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は自動運転車部門をスタートアップ企業オーロラに売却し、同社の株式を手に入れようとしている。これは野望がしぼみつつある兆候だ。

 米配車サービス大手、ウーバー・テクノロジーズの将来像が、次第に平凡になっていくようだ。写真は同社のロゴ。ロサンゼルスで8月撮影(2020年 ロイター/Mike Blake)

7日に発表された複雑な合意によると、ウーバーは自動運転部門「ウーバー・アドバンスト・テクノロジーズ・グループ(ATG)」をオーロラに売却し、現金4億ドルを同社に出資するのと引き換えに、オーロラ株26%を取得する。

期待外れなのは、ATGの評価額が40億ドルで、トヨタ自動車とソフトバンクグループがAGTに昨年出資した時点の72億5000万ドルから大幅に減少している点だ。

もちろん、これによってウーバーの損失は抑えられるだろう。今年1―9月期の「ATGとその他テクノロジープログラム」部門の調整後利払い・税・償却前利益(EBITDA)は約3億ドルの純損失。赤字の大半は自動運転車部門と空飛ぶタクシーサービス「エレベート」に起因するとみられている。今月の報道によると、ウーバーはエレベートについても現在、売却の交渉中だ。

ウーバーは今回の取引によって、頭痛の種を取り除くことにもなる。2018年に自社が開発中の自動運転車が起こした死亡事故を巡る訴訟と、イメージ悪化への対処を迫られていたからだ。

それに自動運転車は、多くの企業がしのぎを削る分野だ。技術を巡る競争が往々にして「勝者総取り」に終わることを考えれば、成功の確率を高めるため、今回のような取引をするのも理にかなっている。

しかも、コスロシャヒCEOが多様なベンチャーへの本格投資を再開して壮大な野望を改めて抱くのは、いつでもできることだ。ウーバーは電動自転車の事業をライム(Lime)に売却した際には一定株を保持したほか、2022年以降に逆に買収する権利を確保した。

今回の合意により、ウーバーは1四半期に約10億ドルという損失の食い止めに集中することができる。そのかいはあるだろう。しかし、配車・食品デリバリー業界で競争が続いていることを考えると、自動運転車事業なしで同社を黒字にできるかどうかは、未だ不明だ。

そう考えると、950億ドルというウーバーの株式時価総額は、ますます割高に映る。

●背景となるニュース

*ウーバー・テクノロジーズは自動運転車部門のATGをオーロラに売却することで合意した。両社が7日発表した。

*ロイターによると、ATGの評価額は40億ドル。ウーバーはオーロラに4億ドルの出資も行う。その後、ウーバーとATG従業員はオーロラ株約40%を保有する。ウーバーの株式保有比率は、完全希薄化ベースで26%になる。

*ATGは昨年、トヨタ自動車やソフトバンクグループなどのコンソーシアムから10億ドルを調達しており、その際の評価額は72億5000万ドルだった。

*オーロラはウーバーと自動運転車導入で協力するが、独占提携ではない。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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