for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
コラム

コラム:米ウーバー、配車事業への回帰が黒字化達成に唯一の道

[ワシントン 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米配車大手ウーバー・テクノロジーズが5日発表した第1・四半期決算は、売上高では配車サービス部門の大幅な落ち込みを料理宅配部門「イーツ」の伸びが辛うじて支えたものの、収益で見ると移動サービス部門が黒字だったのに対して料理宅配部門は赤字だった。だからウーバーは配車事業に軸足を戻すことこそが、黒字化に向けた唯一の道だ。

 5月5日、米配車大手ウーバー・テクノロジーズが発表した第1・四半期決算は、売上高では配車サービス部門の大幅な落ち込みを料理宅配部門「イーツ」の伸びが辛うじて支えたものの、収益で見ると移動サービス部門が黒字だったのに対して料理宅配部門は赤字だった。だからウーバーは配車事業に軸足を戻すことこそが、黒字化に向けた唯一の道だ。ロサンゼルスで2020年11月撮影(2021年 ロイター/Lucy Nicholson)

ウーバーは新型コロナウイルスのパンデミックからの回復ペースが遅い。配車部門の第1・四半期の売上高は前年同期比65%減少。英国で運転手を従業員として扱うことで和解した関係で6億ドルのコストが発生し、売上高を圧迫した。この要因を除くと配車部門は売上高が41%減少し、約3億ドルの調整後EBITDA(利払い・税・償却前利益)を計上。一方、料理宅配部門は売上高が前年同期から3倍余り増えたが、損益は2億ドルの赤字だった。

まさに料理宅配部門がウーバーの黒字化にとって足手まといになっているのは、市場での競争激化が主な理由だ。調査会社セカンドメジャーによると、ウーバーは米配車市場で70%近いシェアを持ち、ライバルのリフトに対して優位にある。一方、料理宅配市場では2位につけながら、グラブハブに僅差で追われている状況であり、しかも首位のドアダッシュが55%のシェアを握って両社を圧倒している。料理宅配市場は参入企業も増えている。外食企業はウーバーに運転手やプラットフォームの使用料を払っているとしても、こうした手数料にはばらつきがある。一方、ウーバーはとりわけ非常に競争が激しい市場で、運転手に特別手当を、外食企業にはリベートを支払っている。

さらに加えて、ウーバーは料理宅配の注文を1件受けるごとの損益が平均すると赤字だ。社内の部門同士が運転手を奪い合うという不都合な状況も起きている。配車部門の運転手は料理宅配も行うのが普通。ウーバーは今年、運転手不足のためにインセンティブを2億5000万ドル上積みするが、この額はさらに膨らむかもしれない。

事業のほとんどを配車サービスが占めるリフトの先行きがウーバーよりも明るいのはこのためだ。リフトは4日、第1・四半期決算は36%の減収だったが、調整後EBITDAは第3・四半期に黒字に転じるとの見通しを示した。一方、ウーバーは料理宅配事業の寄与なしに第4・四半期の全体で黒字化すると見込んでいる。

景気は回復が続いており、人々が再び外食は安全だと感じるにつれてウーバーの料理宅配部門の伸びは鈍化する可能性がある半面、リフトとウーバーの配車部門はいずれも復活するだろう。そうした追い風が強まる中で、ウーバーを黒字化という目標まで最も安全に運んでくれる乗り物は、主力の配車事業にほかならない。

●背景となるニュース

*米配車大手ウーバー・テクノロジーズ5日発表した第1・四半期決算は、売上高が前年同期比11%増の29億ドル。リフィニティブがまとめたアナリストの予想平均は33億ドルだった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up