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アングル:銀行がロンドン脱出準備加速、英政府の対策手遅れか
2017年7月12日 / 03:59 / 4ヶ月後

アングル:銀行がロンドン脱出準備加速、英政府の対策手遅れか

[ロンドン 11日 ロイター] - 英政府は金融機関がロンドンから人員を引き上げ始める前に、欧州連合(EU)離脱に移行期間を設けることで合意を取り付けて離脱の打撃を和らげようとしているが、「時既に遅し」かもしれない。

 7月11日、英政府は金融機関がロンドンから人員を引き上げ始める前に、欧州連合(EU)離脱に移行期間を設けることで合意を取り付けて離脱の打撃を和らげようとしているが、「時既に遅し」かもしれない。ロンドンで2014年11月撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

ロイターがロンドンの大手銀を取材したところ5行のトップが、移行期間について合意がまとまるのは欧州委員会との協議が終盤に入ってからとなる公算が大きく、既に人員の再配置に着手したと述べた。

政府はこのところ企業寄りの姿勢を打ち出し、先月の総選挙前とは企業トップへの態度が一転したが、もう間に合わない可能性がある。

ある大手行トップは「銀行が移行期間で合意を求めていた時期は過ぎ去った」と冷ややかだ。この銀行は英政府の動きとは関係なく、数百人規模のポストを欧州大陸に移すことを決めたという。

ハモンド財務相は先週、英国は移行期間についてEUと合意するよう努め、企業を支えるべきだと発言。政府はこの数カ月に企業幹部と初めてハイレベル会合を持ち、EU離脱について話し合った。

しかし米シティグループ(C.N)の英部門を率いるジェームズ・バードリック氏によると、英政府の取り組みはペースが遅すぎて、EUとの間で早期に合意をまとめるのは不可能で、銀行は来年9月までに準備を整えなければならないという。

バードリック氏は「いつまで経っても、話し合いばかりで行動がない」と述べた。

銀行の経営幹部によると、人員や業務の再配置を決めるスケジュールは厳しさを増している。新たなオフィスの準備、営業免許の取得、従業員の雇用・再配置、EU基準の自己資本達成などには18カ月以上の期間を要するためだ。

英大手行の会長はロイターのインタビューで、このところ緊急対応策の策定を求めるよう従業員から突き上げられており、夏の終わりまでには策定にゴーサインを出さざるを得ないだろうと明かした。

「毎日だれかが私のオフィスを訪れ、緊急対応策作りを始めるよう迫っている」と話した。

イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁も以前、銀行は9月までに他の国への移転を開始する必要があると発言している。

総裁は銀行に対し、14日までに英EU離脱後の顧客への影響を避けるための対応策を提出するよう求めたが、銀行筋によると総裁のこうした発言は皮肉にも銀行の英国脱出に拍車を掛けたという。

企業側は、英国が離脱交渉の終盤に至っても移行期間で合意できるか危ぶんでいる。国外居住者の権利など、離脱条件での合意を優先しなければならないからだ。

メイ英首相がEU司法裁判所の権限受け入れを拒否しているため、英国が移行期間について協議入りし、なんらかの合意をまとめる作業は難航しそうだ。

(Andrew MacAskill記者、Anjuli Davies記者)

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