[ベルリン 20日 ロイター] - ドイツのマース外相は20日、英国の欧州連合(EU)離脱案を巡りメイ英首相がアイルランド政府との2国間交渉を検討しているとの報道について、事態の打開策としての効果に懐疑的な見方を示した。
メイ首相がEUと合意した離脱協定案が前週、英議会で否決されたことを受けて、メイ氏は21日に今後の方針を打ち出す見通し。
英紙サンデー・タイムズは、国内で反発が大きいアイルランド国境問題のバックストップ(安全策)に関する離脱合意案の条項を取り除くため、メイ首相がアイルランドとの2国間交渉を検討していると伝えた。EUは、アイルランドと英領北アイルランドとの間の厳格な国境管理を避けるためにバックストップが必要と主張している。
マース外相は公共放送ZDFで「英政府がアイルランド政府と何を交渉したいのか、あるいはどのような追加合意になるのかは謎めいている」と指摘。「(EU)欧州委員会と既に結んだ合意に対しては何の影響も及ぼさない」と言明した。
外相はまた、EUと合意した離脱協定案を再交渉するのは「非常に困難」と述べた。
英国のブレア元首相は21日付の独紙ウェルトとのインタビューで、EUが英国に対して譲歩することは無意味との見解を示した。
親欧派のブレア氏は「EUがバックストップを変更してアイルランド政府の主張を撤回する可能性はないと考えているが、そうなったとしても協定案を救うことにはならない」と述べた。ブレア氏は英国が合意なしにEUを離脱する確率は10%とした。