June 24, 2016 / 5:11 AM / 3 years ago

英「離脱派」勝利予想で株安円高:識者はこうみる

[東京 24日 ロイター] - 英国で23日、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が実施され、離脱派の勝利がほぼ確実になった。英国の先行き不透明感が強まり、第二次世界大戦後の欧州統合の動きにブレーキがかかった。

 6月24日、英国で23日、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が実施された。写真は米ニューヨーク・マンハッタンの英国パブで23日撮影(2016年 ロイター/Andrew Kelly)

ポンドは一時1.35ドルを割り込んで30年ぶりの安値をつけた。「ブラックウェンズデー(暗黒の水曜日)」と呼ばれる1992年のポンド危機よりも、大幅な下落率を記録。ドル/円も一時99.00円と100円を割り込み、2年7か月ぶりのドル安/円高水準となり、日経平均株価も一時前日比1300円を超す急落となった。

識者のコメントは以下の通り。

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

先週半ばまでの外為市場では、英国のEU「離脱相場」とも言える警戒感があった

が、先週末から今朝までは逆に英国がEUに留まるとの楽観論が広がり「残留相場」となっていた。

さらに、昨夕からは「残留相場」にポジションを上乗せする格好で株高・債券安・欧州通貨高となった。

足元では金融市場の予想が完全に裏切られ、離脱が現実味を帯びてきたことで、「残留相場」で積み上げられたポジションが一気に溶解している。

より長い目で見れば、英ポンド/円、ユーロ/円は共に2012年末の水準に戻っており、過去3年半のアベノミクス期の円売りを全て返上したことになる。

ドル/円は、クロス円に比べて出遅れているが、クロス円同様に、第二次安倍政権発足時の85円近辺に徐々に収斂していくとみている。

英国民投票後は、市場が落ち着きどころを見いだすのに時間を要するかもしれないが、今回のイベントの織り込みの前にそうであったように、米中経済の減速という基本テーマに回帰していくだろう。今後のポイントとなる材料として、来月半ばまでに米雇用統計、参院選、中国の2QのGDPがある。

<T&Dアセットマネジメント 運用統括部長 山中清氏>

英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱が優勢となったのは想定外だ。残留派の女性議員の射殺事件を受けて、事前には離脱はないとの見方が一般的だっただけにショックは大きい。株価も事前に戻していたこともあり、その反動から下げが加速している。もっとも、やや過剰ともいえ、結果を受けて短期的には戻りを試す局面がありそうだ。

とはいえ、株価は再び下値模索が強まるとみる。ドル/円JPY=EBSが1ドル100円レベルでは国内の企業業績に対する下振れ懸念が強く、日経平均1万5000円でも割安とは言えない。介入の可能性もゼロではないが、円高に歯止めをかけるだけで円安回帰とはならない。各国中銀が備えをしているため、金融不安には発展しないだろうが、英国のEU離脱からはポジティブな話が出てくることは考えにくく、買いの手も引っ込みがちになるだろう。

<三井住友アセットマネジメント チーフストラテジスト 石山仁氏>

意外な印象はぬぐえない。投票率の上昇で離脱派が増えたという要因があるとみている。日経平均先物のサーキットブレーカーが発動するなど、日本株はかなり行き過ぎた水準まで下落している。今後の為替の水準次第の面もあるが、企業業績の下方修正リスクをもう一度織り込みにいかざるを得ない展開が想定される。 今後、欧州連合(EU)と英国との間で離脱に向けた条件の交渉が行われ、その決定が2年後になるとすると、影響は中長期に及ぶ可能性がある。右傾化の流れが北欧などで出ており、現在のEUのフレームワークを見直そうという動きが高まるリスクがある。

ただ、きょうのマーケットのうねりは、アルゴリズムで動いてしまった面もある。今晩の欧米市場でどれぐらい落ち着きを取り戻すことができるかもポイントとなるだろう。ここまでの円高は、日銀が単独で為替介入をしても許容されるレベルでもある。目先としては日経平均で1万4000円を下限のめどとしてみている。

<クレディ・アグリコル証券・チーフエコノミスト 尾形和彦氏>

英国国民投票の結果、欧州連合(EU)からの離脱が確実になったことで、金融市場は急激な円高・株安が進行し、パニック的な動きとなった。政府・日銀としては何らかの対応をせざるを得ないだろう。日銀はまず、各国中銀との協調体制を確認し、為替介入や流動性供給を行う可能性が高いのではないか。

また、確率は高くないが、ETF購入加速やマイナス金利の深堀りといった追加緩和の可能性も否定できない。

短期的に政策発動があれば、相場はいったん落ち着くだろう。しかし中長期的にみれば、EU離脱に向けて英国に追随する加盟国が出てくる可能性がある。政治混乱や経済への悪影響が長期化することを懸念している。金融市場はこうした状況を徐々に織り込んでいくのではないか。

<みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>

英国の欧州連合(EU)離脱が現実味を帯び、金融市場が大きく混乱している。米国は7月の利上げの芽が完全に摘まれたうえ、年内実施の可能性も著しく低下した。長期的な円高見通しの確度を高めるイベントになったと言えるだろう。

ドル/円は1カ月程度かけ、実質実効為替レートの長期平均である95円を試す展開が予想される。ただ、投機筋のポジション動向を示すIMM通貨先物の円買い越しが、先週時点で直近ピークの7割程度まで積み上がっていたことも気になる。いったん102─103円付近まで戻し、落ち着いてから再び下方向を試すとみている。

7月末には日銀の金融政策決定会合があるが、来週にも臨時会合を開いて政策対応を打ち出す可能性があり、相場の変動要因となるリスクには注意したい。

*内容を追加します。

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