December 5, 2018 / 6:57 AM / 5 days ago

アングル:EU離脱案、英下院否決ならメイ政権はどう動くか

[ロンドン 4日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)からの離脱協定案について、メイ英首相は11日に行われる下院の採決で承認を勝ち取る必要がある。しかし四方八方からの反発にさらされ、今のところ承認を得るのは難しいとみられる。

12月4日、英国の欧州連合(EU)からの離脱協定案について、メイ英首相は11日に行われる下院の採決で承認を勝ち取る必要がある。ロンドンの英議会前で11月28日撮影(2018年 ロイター/Henry Nicholls)

協定案が下院で否決された場合、政府は21日以内にその後の方針を示すよう法律で定められている。政府はこれまで、協定案が否決されれば英国は合意なしにEUを離脱することになると説明している。

実際に協定案が下院で否決されれば、経済規模で世界第5位の英国の先行きは極めて不透明となり、金融市場の混乱が予想されることから、英政府ははるかに迅速な対応が欠かせないだろう。

下院が協定案を否決した場合の英政府の対応として考えられる主なシナリオは以下の通り。

<辞任>

メイ氏が与党・保守党の党首を辞任。これを契機に保守党内では総選挙を行うことなくメイ氏の後釜選びが始まる。

メイ氏は、下院が協定案を否決した後も2週間は首相の座に留まる意向を示している。

<更迭>

保守党内でメイ降ろしの流れが加速する。保守党の下院の議席数は議長を除き315議席だが、このうち48人がメイ氏の退任を求めれば保守党は党首に対する不信任投票を行う。メイ氏が不信任投票を切り抜けられなければ、保守党は総選挙なしに次期党首選びに入る。

<協定の再交渉>

英政府が離脱条件について再交渉し、EUから追加的な譲歩を引き出して修正案をまとめ、下院に再度承認を求める。

ただ、メイ氏とEUは交渉のやり直しはないと表明している。

<野党が不信任投票要求>

野党・労働党がメイ政権に対する不信任投票の実施を求め、政権奪取を図る。メイ政権に対する不信任投票の賛成票が過半数に達した場合、労働党は14日以内に過半数の支持を取り付ければ政権を握ることができる。

<総選挙>

メイ政権の不信任案が可決され、労働党が新政権を樹立できなかった場合は総選挙となる。3分の2の議員が賛成すればメイ首相自身が総選挙を求めることもできる。

メイ氏は、総選挙は英国民の利益にならないと述べている。

◎長期的なシナリオ

<国民投票のやり直し>

EU離脱の是非を問う国民投票のやり直しは手続きが不透明だ。

メイ氏は国民投票のやり直しを求めない考えを表明している。

<離脱の延期もしくは撤回>

政府がEUとの交渉期間を延期し、より英国に有利な条件の獲得や総選挙、国民投票のやり直しなどに向けて時間稼ぎを行う。

政府がEUに対する離脱の意思の通告を撤回しようとすることもあり得る。

欧州司法裁判所(ECJ)の法務官は、英国には通告を一方的に撤回する権利があるとの判断を示した。法務官の判断に拘束力はないが、ECJは法務官の意見に従うことが多い。

メイ氏は、離脱延期は望まず、離脱通告を撤回することもないと述べている。

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