[ロンドン 21日 ロイター] - 英財務省のアンドリュー・グリフィス・金融街シティー担当次官は21日、英国が上場企業に採用を義務付けている国際的な会計基準、「国際財務報告基準(IFRS)」について、英国の投資を阻害していると指摘した。英保険会社協会(ABI)の会議で発言した。
IFRSは、市場価格の変動を投資評価に反映させる「マーク・トゥ・マーケット」の考え方を採っている。
グリフィス氏は「過度にプルーデント(金融システムリスクを重視する)な規制と、マーク・トゥ・マーケットの会計基準の組み合わせにより、あまりに多くの英国資本が短期で低利回りの投資に縛り付けられている」と指摘。この結果、IFRSが「(運用)成果に対する制裁」のようになり、「英国の投資家と年金生活者の役に立っていない」と述べた。
英国では昨年9月、年金基金が幅広く利用している「ライアビリティー・ドリブン・インベストメント(LDI、債務主導投資)」ファンドで投げ売りが起こって市場が混乱したことを教訓に、上院の委員会が今月、年金投資についての長期的視点を会計基準に取り入れるよう提言した。
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