[グラスゴー(英スコットランド) 20日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のソーンダーズ委員は20日、英中銀は時間をかけずに段階的に利上げすべきであり、国内のインフレ圧力が増大する中で、もはや慎重になる必要はないとの見方を示した。
ソーンダーズ委員は3月のMPCで利上げを支持した1人。その後、第1・四半期の軟調な経済指標が示されたが、悪天候の影響や過去数年間は第1・四半期成長率が上方改定されてきたことを受け、その重要性には「疑問がある」と述べた。
カーニー総裁はBBCニュースに対し、最近の経済指標が強弱混交しているとし、MPCに見解の相違があることを示唆。20日の金融市場では来月のMPCにおける利上げ確率が大きく低下した。
ソーンダーズ委員は、労働市場からのインフレ圧力が英中銀の2月の見通しよりも強くなっているもようと指摘。経済成長率は向こう数年間で年率1.5─2.0%と、潜在成長率を上回る見込みとした。
また「追加的な引き締め策は段階的なペースで行われ、かつ限られた範囲になる見通し」と繰り返し言及。「段階的」という表現について、「例えば年1回のような頻度の非常に低い利上げペースを意味するものではなく、またMPCが市場に織り込まれている利上げペースよりも速い利上げが出来ないことを意味するわけではない」との見方を示した。
さらに英国の金利はより通常の水準に戻るべきであり、その水準は2%程度とした。