[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)は29日、英国のメイ首相に対し、EUからの合意なき離脱を回避するため、「非常に大きな」隔たりを克服する方法を提示するよう求めた。離脱まで残り9カ月となる中、最後の警告を発した格好だ。
EU首脳会議の2日目の協議で、英国を除く加盟27カ国は、メイ首相に英政権内の対立を克服し、EUとの協議を前進させるよう求める声を強めた。
トゥスクEU大統領は記者団に対し「これが方針提示の最後の呼びかけだ」と述べた。
EUのバルニエ首席交渉官も「(残された)時間は短い」と警告した。
離脱交渉では、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理を巡る提案を英国が示せていないことが膠着の原因となっている。
フランスのマクロン大統領は「アイルランド国境問題でEUが結束を維持することは明らかだ」と述べ、英国はEUとの間でどのような将来関係を望むか早急に明確にする必要がある」と強調した。
EU首脳会議の合意文書では「国境問題を巡るバックストップ(安全策)で大きな進展を遂げていない」ことに対する各国首脳の懸念が浮き彫りになった。
マルタのムスカット首相は首脳会議について「難民・移民政策を巡る合意の承認に9時間近くかかったのに対し、英国のEU離脱を巡る文書は1分もかからなかった」とツイッターに投稿した。