[東京 4日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は4日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る交渉の行き詰まりを打開する方策として、アイルランド国境問題の懸念に対処できる「創造力を伴う」妥協が必要との考えを示した。滞在先の東京で安倍晋三首相と臨んだ記者会見で語った。
メイ英首相は、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの境に厳格な国境管理が再び導入されることを防ぐための保険としてEUと合意した安全策(バックストップ)に法的拘束力のある変更を加えることを求めている。
メルケル氏は会見で、離脱協定案の再交渉は望まないとした上で、困難な問題は創造性によって解決できると述べ、EUで最も影響力のある首脳として妥協の余地がある可能性を示唆した。
同氏は「英領北アイルランドがEUの一部でなくなっても、単一市場の統一性を維持するための選択肢は必ずある。同時に、可能であれば国境管理を避けたいという望みをかなえる道も必ずある」と発言。「この問題を解決するには、創造力を発揮し、互いの意見を聴く必要がある」と述べた。
また、アイルランドのバックストップ問題はEUと英国による将来の関係に関する別の合意に向けた交渉の中で解消できると述べ、メイ首相にアイルランド問題を巡るこう着状態から抜け出す道を提示した。
メルケル氏は「皆が善意を示せば、残りの時間を合意に向けて使うことはできる」と語った。