[ロンドン/ブリュッセル 9日 ロイター] - 英国と欧州連合(EU)は9日、英領北アイルランドの通商問題で解決策を見いだせず、双方が強硬策を示唆するなど応酬を繰り広げた。今週末の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に影響する可能性もある。
英国が昨年にEUを離脱して以降、英EU関係はさらに悪化。離脱協定の一部である北アイルランド議定書の履行に不誠実だと批判し合っている。
北アイルランドの取り決めを巡る対立は、英本土から北アイルランドへの冷蔵肉の出荷に影響するため、英国メディアはこれを「ソーセージ戦争」と表現している。
対立はこの日、激化した。英国は6月30日までと決めた関税手続き導入の猶予期間を再び独断で延長する可能性があると述べた。EUはすでに進めている法的措置を進め、場合によっては関税や数量割り当てを導入する可能性もあるとした。コーンウォール
G7サミットは今週末、イングランド南西部コーンウォールで開催される。ジョンソン英首相は会議で「世界の英国」をアピールしたい意向。ただタイムズ紙によると、バイデン米大統領は英国に対して取り決めを順守するように伝える方針だ。
サミットにも出席する英国のフロスト首席交渉官は最新の協議で、北アイルランド議定書を巡る対立の解決に向け、対英関係を担うEU欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長と会談。記者団に対して「率直で誠実な協議だった。打開策はなかった。(交渉)決裂もない。協議を続ける」と話した。
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