for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

日本の経験は危機回復の参考に、二番底の可能性も=IMF報告

 [東京 30日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は、世界経済が金融危機から回復する道のりを占ううえで、日本経済がバブルの後遺症から立ち直るのに苦しんだ過程が参考になるとして、日本経済の「失われた10年」を振り返るリポートを発表した。

 IMFはそのなかで、1)景気の「グリーンシュート(若芽)」は景気回復を保証するものではなく、今後の見通しを慎重に考える必要がある、2)ぜい弱な金融セクターは外的ショックに対して経済を弱体化させるため、持続的な景気回復を実現するには金融セクターの問題を解決する必要がある、3)政策面のサポートを解除する時期を判断するのは難しいが、明確な中期的プランを策定することが望ましい、と提言した。

 リポートは、日本の経験は金融セクターのぜい弱な状態が長引けば、経済に対する外的ショックの影響が増幅される恐れがあることを示していると指摘。ダウンサイドリスクの存在や依然としてストレスにさらされている金融システム、先進国における家計のバランスシートの傷みを考えれば、景気が二番底に陥る可能性を全面的に排除することはできない、との見方を示した。

 そのうえで、持続的な景気回復の実現は、金融セクターや債務問題の解決に向けた協調行動にかかっていると指摘。家計の負債レベルが正常に近い水準に戻り、銀行セクターが十分に強化されなければ、民間主導の力強い景気回復が定着することは難しいとの見方を示した。

 景気回復の足取りがさらに固まるまでは刺激策を継続する必要があると指摘。日本のケースと同様、刺激策は先進国の家計や銀行にバランスシートを立て直す時間的余裕を与えることで、必要なリストラを促す役割を果たすとの考えを示した。

 さらに、できる限り長期にわたる政策面のサポートが必要だが、出口戦略に関する明確なプランを策定しておくことが望ましいとの考えを表明。日本の経験でも分かるように、景気回復力について極度に不透明感の強い環境下では、実際に出口戦略を実施するタイミングを推測することは困難だが、基本的な出口戦略に関する考えを慎重に伝えておくべきだとの考えを示した。また、今回のような世界的規模の危機においては、出口戦略は各国が協調して行うことが必要だと指摘した。

 最後に、リポートは、日本の場合は外部環境の力強さに支えられて持続的な景気回復を果たしたが、現在は世界経済の環境がぜい弱であるため輸出主導の景気回復が実現する可能性は限られており、長期的な力強い経済成長を可能にするためには、世界経済のリバランスが不可欠だと強調した。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up