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10月鉱工業生産は8カ月連続の上昇、円高の影響懸念される

 [東京 30日 ロイター] 経済産業省が30日発表した10月鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比0.5%上昇の86.1となり、8カ月連続の上昇となったが、伸び率はこれまでより小幅にとどまった。

 11月30日、10月鉱工業生産指数速報は前月比0.5%上昇し、8カ月連続の上昇となった。(2009年 ロイター)

 ロイターの事前予測調査では前月比2.5%の上昇と予想されていたが、発表数値は予想を下回った。先行きの生産計画は引き続き堅調で、予測指数は11月が前月比3.3%上昇、12月が同1.0%上昇となった。ただ、足元の円高進行は織り込まれておらず、輸出競争力や国内景気悪化による影響が懸念される。

 経済産業省は生産の基調判断を「持ち直しの動きで推移している」で据え置いた。

 鉱工業出荷指数は前月比1.3%上昇、在庫指数は同1.5%低下だった。

 出荷ともに海外向けが好調で、全体をけん引した。台湾・韓国向けの半導体製造装置や、中国・米国向け発電用蒸気タービンなどが好調だったことが寄与した。

 また、金属製品工業、情報通信機械工業なども上昇。金属機械は橋梁や超硬チップなどが国内外向けに増産された。情報通信では携帯電話が新機種向けに、またノート型パソコンも欧米アジア向けに増産となった。

 ただ低下した業種では、需要の減少も目立った。印刷は広告向けの需要減、自動車用タイヤは海外の需要減、塩化ビニルやフェノールなどの化学製品も中国などの需要減により、生産が低下している。

 国内の政策効果による自動車と家電の押し上げは持続している。自動車は、小型乗用車の生産は引き続き好調、液晶テレビも9月の生産が高い伸びだった反動で10月はやや伸び悩んだものの、水準は引き続き高い。

 10月はこれまでに比べて伸び率が0%台とやや失速気味となったが、11、12月の企業の生産計画は比較的しっかりしている。生産予測指数は11月が前月比3.3%上昇と高い伸び、12月も同1.0%と増加を維持している。これが実現すると、10─12月は前期比5.0%の上昇としっかりした伸びとなる。指数の水準は12月末に89.8となる。ただ、11月末の急激な円高の影響は、予測調査時点(11月10日)では織り込まれていない。海外競争力や、企業収益悪化に伴う国内景気への影響が出てくれば、計画下ぶれの可能性も予想される。

 金融市場からは、10月の結果を見て生産回復が思ったほど強くないとの声が聞かれた。大和証券SMBC金融証券研究所投資戦略部・部長の高橋和宏氏は、「11月、12月の生産予測指数はいずれもプラスで、鉱工業生産は回復基調にあるという方向性は変わらないものの、回復のスピードは鈍い」とみている。みずほインベスターズ証券・チーフストラテジストの井上明彦氏も「生産はまだ持ちこたえているという見方もできるものの、一方で4月から比べれば着実に減速を続けている。年末にかけては、円高など現在進行形の要因も加わってくるので、まだ注意が必要だ」と指摘する。

 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者)

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