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GS訴追でリスクマネーいったん引き揚げ、楽観シナリオは消えず

 [東京 19日 ロイター] 19日の東京市場は株安/債券高。米証券取引委員会(SEC)が米ゴールドマン・サックスGS.Nを証券詐欺罪で訴追したことでリスク資産売り/債券買いとなった海外の流れを引き継いだ。

 4月19日、東京市場は株安/債券高。米SECがゴールドマンを訴追したことでリスク資産売り/債券買いとなった海外の流れを引き継いだ。写真は都内の株価ボード。2009年9月撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 国内の株式市場は高値警戒感が指摘されていただけに日経平均は200円を超える下げとなった。ただ、利益確定売りは予想された範囲内と声が出ている。今後は調整の幅と時期が焦点だが、市場には、企業収益の改善を背景にまだ楽観シナリオが聞かれる。 

 <金融規制強化を警戒> 

 株式市場では日経平均が続落し、節目の1万1000円を割り込んでいる。GS問題で16日の米株市場が急反落したことが嫌気された。

 市場参加者はゴールドマンの問題が他の証券会社へ波及する可能性や米金融規制強化の再燃などを警戒している。「投資家が株式やコモディティなどリスク資産から資金をいったん引き揚げている。市場の不安心理を映すVIX指数が約3年ぶりの低水準に低下するなど、マーケットで楽観論が支配的だったことの反動が出た」(みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏)という。

 「ゴールドマンの訴追は、秋の米中間選挙を控えた選挙戦略的な金融規制の流れの一環とみれば、突然出てきた材料ではない。SECの根拠も不明瞭で、今後の展開を見極める必要がある」(大和住銀投信投資顧問上席参事の小川耕一氏)との見方も出ている。 

 <円債買われる、1カ月ぶりの水準> 

 円債市場は続伸。前週末の米債相場が上昇した流れを継いで、国債先物には海外ファンドからとみられる買いが入り、中心限月ベースで3月11日以来、約1カ月ぶりの高値圏に突入した。先物取引の影響を受けやすい5年物や10年物の国債利回りも、いずれも約1カ月ぶりの水準に低下した。

 米10年債利回りが約3週間ぶりの低水準をつけるなど、4%に向けた動きが一服しているため「外債シフトの思惑が鎮静化すれば、円債利回りは低下しやすい」(外資系証券)。前回の5年利付国債入札で、銀行勢が抱える余剰資金の存在が再確認され、市場で「目先の需給環境は悪くない」(国内金融機関)との見方が広がっていることも、買い安心感を誘った。

 バークレイズキャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジストは「日米長期金利スプレッドが金利上昇と共に拡大する流れがあったが、米10年債利回りが4%を付けたところが、結果的に転換点だった。10年債の日米スプレッドは、260ベーシスポイントをピークに先週は240ベーシスポイント近くに縮小しており、米金利の落ち着きが円債金利にも、じわりと低下圧力を加えた状況を示している」と指摘する。 

 <株式に強気の見方> 

 もっとも、株式市場では、トレンドが弱気に転じるとみる関係者は少ない。武者リサーチ代表の武者陵司氏は「失望するには及ばない、絶好の押し目買いのチャンスととらえるべきだ。調整の幅も期間も、短期小幅にとどまる可能性が濃厚」という。武者氏は「株価はひとえに、業績(実体経済)と流動性(金融政策)に依存するが、その双方において、今の米国は完璧と言って良い状態にある。JPモルガン・チェースJPM.NやインテルINTC.Oの業績コメントに見られるように、企業業績は著しく改善しているが、それもまだ端緒である可能性が濃厚だ。これまでの業績改善は主としてリストラや問題資産の値上がりなどによるものであったが、本筋の力強い需要増加(売上増)に基づく増益はむしろこれからが本番だ」と話している。 

 三菱UFJ証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏は「基本的な上昇トレンドは崩れないだろう。下値は2月安値から4月高値までの上昇幅のフィボナッチ比率38.2%押しにあたる1万0800円近辺、さらに13週移動平均線が位置する1万0600円近辺などがメドになる。過熱感が解消されれば新たな投資家の参入を促すことにもなる」との見方を示している。 

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者:編集 宮崎亜巳)

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