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インタビュー:11年3月期業績を上方修正も=デンソー社長

[東京 9日 ロイター]  デンソー6902.Tの加藤宣明社長は、ロイターのインタビューで2011年3月期の業績見通しを上方修正する可能性を示した。2010年4─6月期は北米、中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)などでの販売が好調で、売上高、各利益段階で期初計画を上回った。

 ただ、新車購入補助金(エコカー減税)終了後の国内車両販売や為替の状況が不透明とし、10年4─9月期の決算発表までに上方修正するか最終判断する考えだ。同社の11年3月期の為替想定レートはユーロ/円が130円。ユーロは1円の円高につき営業利益で年6億円の減益要因となるため、仮に直近の1ユーロ=110円で推移すると、通年で120億円のマイナス・インパクトになる。そうした為替の影響を新興国市場での事業拡大で補う構えだ。

 新興国における売上高比率は「現在7%程度だが、今後10─20%に引き上げていきたい」と述べた。同社は新興国での価格競争力強化のため、材料の現地調達や設計の現地化を進めている。インドにカーエアコンの設計会社を設立したのもその一環で「最適仕様で低コストの商品を提供するには、現地で設計することが必要」と説明した。今後有望な地域については中近東や北アフリカを挙げた。「われわれには、ほとんど手つかずのところだったので、BRICsに次ぐ有望な地域として見直していきたい。モロッコにカーエアコンの新工場を建設するのも、この地域でビジネスを拡大するための勉強のチャンスとしたい」と語った。 

 また、加藤社長は「日本を第1の拠点とすると、タイを第2の輸出拠点としたい」とし、タイを輸出拠点として活用していく方針も明らかにした。タイは政府が環境対応車に対する優遇税制を導入しており、日系メーカーや欧米メーカーの自動車生産が増えている。「今は現地の消費分を供給するので精いっぱいだが、もう一歩踏み込んで輸出拠点とするため、生産能力の拡充も視野に入っている。2、3年で体制を整えたい」と語った。日本への部品供給も検討する。

 6月末に中国の広州工場におけるストライキで出荷が停止したことについて、加藤社長は「中国で労働コストが上がるのは覚悟しないといけない。今回のことで反省しなければいけないのは、現地の従業員とコミュニケーションが足りなかったことだ」と述べた。また、夏過ぎに中国を訪問し、社員と対話の機会を持つ意向を示した。一部のメーカーではこれ以上中国で生産を拡大せず、ベトナムなどを生産拠点として活用する動きもあるが、「中国は人民元高や労務費が多少上がっても膨大な内需がある。中国の顧客に提供するための中国生産は必要」とし、引き続き中国で事業基盤の強化を進める意向を示した。

(ロイター日本語ニュース、杉山健太郎、西谷優美子)

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