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国債利回りが誘導目標に並ぶ勢い、日銀の追加緩和観測広がる

 [東京 19日 ロイター] 金融・資本市場で日銀の追加金融緩和観測が広がっている。債券市場では政策金利引き下げの思惑が取りざたされ、金融政策動向に敏感に反応する2年物国債利回りが急ピッチで低下。

 8月19日、金融・資本市場で日銀の追加金融緩和観測が広がっている。都内の日銀本店前で昨年2月撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 2005年9月以来の水準まで買われており、無担保コール翌日物の誘導目標である0.1%前後に並ぶ勢い。「日銀が週内にも緊急会合を開くのではないか」(外銀)との声もあり、日経平均株価は底堅さを増してきた。

 <短期債が枯渇> 

 日銀が18日実施した残存期間1年以下を対象にした国債買い切りオペは、好不調の目安となる案分利回り格差がマイナス0.039%となり、1年以内に償還を迎える短期国債の「人気ぶり」を鮮明にした。

 背景には、日銀の追加金融緩和の思惑がある。大手銀行の幹部は「急ピッチな円高を食い止めるには、その効果が限られるにしても、新型オペの拡充や政策金利引き下げなどの緩和策が選択肢になり得るとの声が広がっている」と指摘する。

 欧州系証券の関係者は「昨年12月の追加緩和決定時との類似性から、日銀の追加金融緩和を既定路線化するような動きになっている」と話す。 

 金融政策に敏感な2年物国債の利回り低下は、より鮮明だ。前日18日は新発295回債が0.115%で取引され、05年9月以来の水準に低下。19日は既発294回債が同水準まで買われ、無担保コール翌日物の誘導目標である0.1%前後に迫っている。

 クレディスイス証券の河野研郎・債券調査部長は「債券市場は、日銀が、近く無担保コール翌日物金利の0.1%からの低下を促すような政策を打つであろうことを織り込んでいる」と指摘。「市場のコンセンサスはオペ拡充だろうが、その場合でも、短期金利にかかる低下圧力を考えれば、翌日物金利の低下を容認することを伴う可能性が高い」と話す。 

 市場関係者によると、2年物国債の買いの主体は、ゆうちょ銀行とみられる。外資系金融機関の債券ディーラーは「期初に定めた投資計画を遂行するため、『ノルマ的な買い』が先行している」と指摘する。 

 <株、年金勢が買い> 

 日経平均は続伸。株式市場でも、週明け23日の菅直人首相と白川方明日銀総裁の会談を前に金融緩和への期待感が高まっている。為替動向と世界景気の先行きに対する不透明感は根強いが、円高・経済対策への期待感が下支えしており、「国内年金資金の流入観測が出ている。PBRや配当利回りなどの視点から買いを入れているようだ」(東海東京証券エクイティ部部長の倉持宏朗氏)という。

 市場には「売買代金は低調が続いているものの、底入れ感は出てきた」(国内金融機関)との指摘もあった。 

 一方で「円高警戒感は強く依然として上値は重い。ドル安・円高の主要因である米金利低下に変化がない限りは円高トレンドは変化せず、日経平均は9500円に近付けば、戻り売りも警戒される」(証券ジャパン調査情報部長の大谷正之氏)との声は根強い。

 為替市場の関係者からは「日銀の緩和策がオペ拡充程度なら市場が予想していた範囲にとどまり、サプライズはない」(別の外銀)との声も聞かれ、円安効果を疑問視する声も上がっている。 

 (ロイター・ニュース 山口 貴也記者)

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