[ロンドン 24日 ロイター] 24日付の英タイムズ紙によると、イングランド銀行(英中央銀行)のマーティン・ウィール金融政策委員は、英国が景気後退(リセッション)に陥るリスクに直面しており、中銀の成長率予測は楽観的過ぎるかもしれない、との認識を示した。
ウィール金融政策委員は「(リセッションの)リスクが全くないと断言するのはばかげている」とし、今後のリスクとして、失業率の一段の上昇、住宅価格の下落、銀行セクターの新たな危機などを挙げた。
同委員はまた、緊縮財政により需要が減退しているが、それがリセッションの引き金になることはない、との考えを示した。
英中銀の成長率予想について、2011年の約2.8%、および、2012年の3.2%という数字は楽観的過ぎると指摘した。
消費者物価は、エネルギー価格の上昇が収まるなど一時的な要因がなくなれば、2年以内に中銀目標の2%を下回る水準に戻るとの見方を示した。その上で、成長率が予想を若干下回る理由を見つけるのは、インフレ率が目標を上回る理由を見つけることよりも容易だ、と述べた。
「経済に緩みがあり失業率が一段と上昇するとの見方に同意する。現在の状況を踏まえると、著しく大きなインフレのリスクがあると判断するのは難しい」と述べた。
一方、連立政権の財政赤字削減に向けた取り組みを支持すると表明。
「資金調達のリスクは5月時点よりもかなり低くなっているようだ」との認識を示した。