[ニューヨーク/ロンドン 13日 ロイター] リスクモデリング会社のAIRワールドワイドによると、日本の大地震による保険対象の損失は350億ドル近くに達する可能性がある。この金額には、津波による損失は含まれておらず、史上最大規模の最大になるとみられる。
この金額は、2010年に世界の保険業界が災害で被った損失の総額とほぼ同水準で、保険料の引き上げにつながる可能性があるという。
どの保険会社が最も支払いが大きくなるかははっきりしないが、チョーサーCHU.L、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)AIG.N、ミュンヘン再保険MUVGn.DE、スイス再保険RUKN.VXなどが影響を受けるとみられている。
AIRによると、損失の予想レンジは145億―346億ドル。1ドル=81.85円を前提に算出した円換算では1兆2000億―2兆8000億ドルとなる。
同社によると、この計算は暫定的なもので、津波による被害額や原発関連の被害は含まれていない。
この予想レンジの上限で計算すれば、今回の震災による保険対象損失額は1994年に米カリフォルニア州で起きたノースリッジ地震を上回り、近代の歴史で過去最高となる。
1970年以来のすべての災害の中でも、ハリケーン「カトリーナ」被害に次いで史上2番目(インフレ調整後)となる。