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夏の需給対策で大口電力25%制限へ、計画停電は原則実施せず

 [東京 8日 ロイター] 政府は8日午前、電力需給緊急対策本部(本部長:枝野幸男官房長官)を開き、夏の電力需給対策の骨子案をまとめた。東京電力9501.Tと東北電力9506.T管内が対象。

 4月8日、政府は大口需要家に使用最大電力の25%を制限するなど、夏の電力需給対策の骨子案をまとめた。写真は都内の東京電力本店で5日撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 大口需要家に使用最大電力の25%を制限するなど企業や個人の需要抑制を中心に対策を講じ、原則として、計画停電は実施しない状態に移行する。同日の骨格を踏まえて、4月末をめどに対策をとりまとめる。

 海江田万里経済産業相は同日午前の会見で、計画停電について「昨今の気候を考えると今から原則実施しないことになる」とし、きょうから実施しない方針を示した。一方で「制度そのものは残しておかなければならない」と述べて、大規模停電を回避するためのセーフティネットとして位置付ける方針を示した。東電は同日、9日から6月3日までの供給力を確保できる見通しになったとして、6月初旬まで計画停電を実施しないと発表した。

 冷房需要の高まる夏場の計画停電を回避することが課題になるが、政府の需給対策の骨子案によると、今夏の電力需要に対する供給不足は、東電が1000万キロワット程度、東北電が150―230万キロワット程度の見込み。ただ、昨年並みの猛暑を想定した場合、東電が1500万キロワット、東北電が330万キロワットの不足としており、この不足分を解消することを需給対策の目標として設定した。

 <電事業27条で複数社の共同需要抑制の制度を検討>

 需要対策としては、東電で少なくとも1000万キロワット、東北電で280万キロワット以上の抑制を図る。東電・東北電の共通の目標として、1)契約電力500キロワット以上の大口需要家に最大使用電力を25%程度、2)契約電力500キロワット未満の小口需要家は20%程度、3)家庭・個人は15―20%程度――の使用最大電力(キロワット)の抑制目標を設定した。

 500キロワット以上の大口需要家には、電気事業法27条に基づく使用制限を発動して実効性を確保する。具体的には、原則的に事業所ごとに規制をかけた上で、例えば、7―9月の10―21時の最大電力を25%抑制するため、営業時間の短縮や夏期休暇の延長・分散化などの計画策定と実行を求める。一方で、経済界が業界ごとの需要抑制策を検討していることを背景に、複数の事業者が共同して需要抑制することも可能にする制度を検討する。

 小口需要家や家庭・個人には規制をかけないが、節電サイトを立ち上げることなどを通じて啓発に努める。地方自治体・業界団体・学校などと連携し、国民運動として展開したい考え。電力会社や省庁ホームページだけでなくテレビ放送や公共交通の画面で日々の電力需給データを表示し「需給の見える化」を徹底する。

 供給面の対策としては、今夏までに東電で500万キロワット、東北電で50万キロワット程度の供給力の上積みを目指す。火力発電所の復旧、緊急設置のガスタービン発電所の新設、自家発電設備からの買い取りを強化する。

 また、今夏以降に向けた対策も盛り込んだ。夏までに立ち上がらなかった火力発電所の復旧の可能性を追求するほか、火力発電所の新設・増設、海外からの調達を含め、ガスタービン発電所のさらなる設置を目指す。また、電力会社間をつなぐ地域間連係線を増強するため中期的なマスタープランを策定する。さらに、太陽光や風力など再生可能エネルギーや、分散型電源の導入促進を図る。

 (ロイターニュース 村井 令二)

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