[ニューヨーク 13日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは13日、米国の「AAA」格付けについて、連邦債務上限が数週間以内に引き上げられない場合、格下げする可能性があると警告した。
米国の格付けを引き下げ方向で見直すと表明したのは大手格付け3社のなかでムーディーズが初めて。
ムーディーズは声明で、連邦債務上限がタイムリーに引き上げられず、米国債のデフォルト(債務不履行)につながる可能性が高まっている、との認識を示した。
ムーディーズの声明(抜粋)は以下の通り。
ムーディーズは、法定の債務上限がタイムリーに引き上げられず、米国債のデフォルトにつながる可能性が高まっていることから、米国の格付け「AAA」を引き下げ方向で見直すことにした。
ムーディーズは6月2日に、債務上限引き上げに関する交渉に大きな進歩が見られなければ、7月中旬に格付けを見直す可能性があると表明している。
この措置に合わせ、米政府と直接関わりのある金融機関(連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ) と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、連邦住宅貸付銀行、連邦農業信用銀行)の格付けも引き下げ方向で見直すことにした。
また、米政府あるいは影響を受ける金融機関が保証している証券や、それらが発行した債券で担保されている証券も格下げ方向で見直す。
格付けの見直しは、発行済み米国債の利払いあるいは元本償還の遅延を防ぐために間に合うタイミングで債務上限が引き上げられない可能性を受けた措置である。
米国債が短期的にデフォルトとなるリスクは、小さいものの高まっている。
ムーディーズは、利払いに関してデフォルトが起きる可能性は低いと考えているが、もはや「微々たるもの」とは言えない。実際にデフォルトになれば、その期間にかかわらず、ムーディーズは将来のタイムリーな債務返済に関する評価を根本的に見直す方針で、「AAA」の格付けはもはや適切ではなくなる見通しだ。
しかしながら、こういったデフォルトは短期的なものにとどまる見込みで、米国債保有者の損失は最小限あるいはゼロになるとみられるため、格付けは引き下げられても「AA」のレンジとなる可能性が最も高い。