[横浜 14日 ロイター] 東芝6502.Tは14日、東京電力9501.T福島第1原子力発電所の事故収束に対応する高濃度汚染水の浄化装置を同原発向けに出荷した。
既に米キュリオン社と仏アレバareva社による装置が同原発で稼働しているが、東芝が出荷した装置は既存の装置との接続やバックアップなどの目的で運用される。現地での据え付け工事やテストを経て8月上旬から運転を開始する予定だ。
東芝は同日、電力プラント機器を製造する同社京浜事業所(横浜市)で浄化装置の製造現場を報道陣に公開した。米エンジニアリング大手のショー・グループSHAW.Nと共同開発した浄化装置は、放射性物質の吸着材を格納した円筒形の容器を並べてシステムを構成。放射能濃度を100万分の1以下に低減できるという。吸着材は放射性物質が一定量溜まったら交換する必要があるが、交換頻度はキュリオン社製の装置に比べ5分の1程度に抑えられるという。装置のコストについては公表はしていない。
東電は年内に20万トンの汚染水の処理を目指してるが、同装置の1日当たりの汚染水処理能力は1200トン。装置の運転形態については、1)既存システムのバックアップ、2)既存システムとつなぐ、3)東芝製装置の単独運転、3)キュリオン製やアレバ製装置と接続する─などの方法が考えられるが、今後、東電と相談しながら決めていくという。