[東京 17日 ロイター] エーザイ4523.Tの内藤晴夫社長は17日、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は米国での特許が切れる2010年度に売り上げのピークを迎えるものの、適応追加や日本での売上増により、2011年度も売上高は前年度比25%減にとどまる、との見通しを示した。都内で開いた医薬品の開発・研究に関する説明会で述べた。
「アリセプト」の米国での特許は2010年11月に切れる。
エーザイでは、1日1回の服用で済む「徐放製剤」と貼付する「パッチ製剤」について、2009年度に米国で認可申請を行う予定。また、ダウン症やがん治療に伴う認知障害などの小児用途でFDAと協議中にある。
内藤社長は「2010年度に米国におけるアリセプトのピークを迎えると考えるが、2011年度は10年度比55%以上を確保する計画を立てている。グローバルには、日本での成長もあり、75%以上を保つメドが立った」と述べた。同社は、中期計画で、2011年度のアリセプトのグローバルな売上高を2750億円と見込んでいる。
欧米でフェーズ2の段階にある急性冠症候群治療薬「E5555」は、2012年度の認可申請を予定している。内藤社長は、余程のことがない限り自社で開発を進める方針だと強調した。
こうしたものを含め、現在、申請中が6テーマ、フェーズ3がパーキンソン病治療薬「E2007」、肥満症治療薬「KES524」など8テーマ、フェーズ2が4テーマ、フェーズ1や準備中が15テーマある。
中期計画で示した2011年度の売上高1兆円、研究・開発費2000億円、営業利益2000億円、純利益1200億円という目標について、内藤社長は「2006年度の(中期計画)スタート時より達成に自信を深めている」と語った。