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東京都品川周辺の街づくり、JR東の再開発案件に追い風

 [東京 11日 ロイター] 東京都が進める品川駅周辺の街づくりが注目されている。この計画はJR東日本9020.Tが計画している品川車両基地の再開発案件にとって追い風になり、株価の中長期的なサポート要因になるとの見方が出ている。

 <品川─田町間に新駅建設の構想>

 東京都は10日に「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン(案)」を発表した。JRの品川駅から田町駅にかけては大規模な低・未利用地域が多く、開発が進むと見込ま

れているが、今回まとめたガイドラインでは、昨年9月に策定した「品川周辺地域都市・居住環境整備基本計画」に基づいて整備の方向性を示し、地域整備の誘導を図っていくとしている。

 この計画で優先整備地区に位置づけられているのが、品川駅北周辺地区、品川駅西口地区、芝浦水再生地区の3地区だ。東京都によると、先行き具体的な整備計画が策定される際には、これらを上位計画として反映されるよう誘導するという。

 このうち品川駅北周辺地区には、JR東日本の広さ約20ヘクタールの品川車両基地が位置しており、同社の今後の取り組みが注目されている。

 JR東日本の広報担当者は、車両基地について「規模を縮小する計画があり、そこで(再開発の)用地が生み出せるかどうか検討しているのが現状だ。用地を生み出すことができるとなった場合は、決定事項ではないが、品川駅と田町駅の間に新駅建設が課題として浮上する可能性がある」と話す。

 ゴールドマン・サックス証券のアナリスト、杉村康晴氏はJR東日本について「現段階では品川車両基地開発を株価に織り込む段階にはないが、同社最大の再開発案件が動き始めたことは、中長期的な株価のサポート要因になると考えている」と指摘していた。

 <京急も検討している品川西口再開発、容積率緩和が議論に>

 品川駅西口地区では、京浜急行電鉄9006.Tのほか、この周辺の主要地主である西武、トヨタ自動車7203.T、小糸製作所7276.Tなどによる品川西口再開発が浮上しているが、これと合わせて東京都の計画の動向が注目されそうだ。

 京浜急行では「具体的なプランはないが、西口再開発については検討している。東京都の計画を推進させた場合、それについて対応も考えたい」(同社広報担当者)としている。

 現時点で東京都の計画に、JR東日本、京浜急行ともタッチしてない。実際、ガイドライン策定にあたって、東京都が先行して進めたとしており「これからJR東日本、京浜急行などと具体的に協議を進めていく」(都市整備局都市づくり政策部開発プロジェクト推進室)ことを明らかにした。

 JRの車両基地周辺は、準工業地域に指定されているため、現在400%の容積率の緩和が焦点となりりそうだ。これについて東京都では「計画が具体化する段階で、容積率の緩和が議論として出てくる」(同推進室)としている。

 (ロイター日本語ニュース 水野 文也)

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