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ロイター個人投資家調査:サブプライム問題による株安対応、「塩漬け」が82%

 [東京 30日 ロイター] ロイターが実施した個人投資家11月調査によると、米国でのサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題を背景に世界的に株式市場が不安定な状況にある中で、多くの個人投資家が株式売買を手控え、82%が保有株を「塩漬けにしている」と答えた。

 11月30日、ロイターが実施した個人投資家11月調査によると、米国でのサブプライムローン問題を背景に世界的に株式市場が不安定な状況にある中で、多くの個人投資家が株式売買を手控え、82%が保有株を「塩漬けにしている」と答えた。写真は29日、東京で撮影(2007年 ロイター/Toru Hanai )

 一方、18%が「現金化」したと回答したが、そのうち過半が相場動向を見て株式市場への再投資を考えている。

 ただ、日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DI(「強気」の割合から「弱気」の割合を引いて算出)はマイナス48と前月のマイナス22から大幅に悪化、2カ月連続で調査開始以来の最低水準を更新しており、市場センチメントの回復には時間がかかりそうだ。

 12月末の日経平均株価の予想中央値は1万6000円となり足元の水準は上回るものの、昨年の大納会の終値1万7225円83銭を下回るとの見通しが示された。また、08年3月末の日経平均の予想中央値は1万6850円となり、今年3月末の終値1万7287円65銭を下回る見通しとなった。

 調査に回答したのは、ロイターCO.JPの個人投資家向けメールマガジン購読者である全国の個人投資家722人(男性92%、女性8%)。調査期間は11月19日─22日。回答者の年齢層は20代が5%、30代が22%、40代が26%、50代と60代がともに20%、70代以上が6%だった。

 調査期間中は、原油先物が一時1バレル=99ドルを超す水準まで上昇し、過去最高値を更新した。日経平均株価は、サブプライムローン問題を発端とする信用収縮懸念の強まりなどから下落に拍車がかかり、年初来安値を更新。節目となる1万5000円を割り込む場面があった。質への逃避行動の強まりで投資家の債券に対する投資意欲が高まり、10年最長期国債利回り(長期金利)は約2年2カ月ぶりに1.4%を下回った。外為市場では、米国でのサブプライム問題を背景にドル安が進み、約2年半ぶりのドル安/円高水準になった。

 <株価下落で保有株式「塩漬け」が82%、「現金化」は18%>

 サブプライム問題を発端とする信用収縮で株価水準が下がったことに伴い、対応を聞いたところ「塩漬けにしている」との回答が全体の82%となる一方で「現金化した」との回答は18%にとどまった。

 「現金化した」と答えた回答者に今後その現金をどうするか聞いたところ、全体の63%が「タイミングを見て日本株に投資する」、27%が「別の金融商品に投資する」と答える一方「そのまま預貯金にしておく」との回答は11%にとどまり、様子見姿勢ながら株式に対する投資意欲が根強いことが示された。

 「タイミングを見て日本株に投資する」と答えた回答者からは「外需に頼らない割安銘柄に投資」(30代・男性)、「買いのタイミングがくれば業績の良い銘柄に」(20代・男性)、「底打ちを実感できたら買い方にまわる」(40代・男性)、「日経平均が1万4500円程度になってから」(60代・男性)──などの指摘が出ていた。

 一方で、「別の金融商品に投資する」との答えからは、外為証拠金取引や新興国投信に対して興味を示す声が少なくなかった。 

 <冬のボーナス支給額は4年ぶり減少の見通し、投資マインドの盛り上がり欠く>

 冬のボーナス支給額が2003年以来4年ぶりに減少するとの見通しが出る中、ボーナスでの株式投資の予定について質問したところ、これまでの投資スタンスを継続する「現状維持」との回答が全体の50%で最も多く、「今回は株式投資を見送る」との回答が29%、「これまでよりも減らす」は10%だった。「これまでよりも増やす」との答えは全体の11%にとどまった。

 「現状維持」と答えた回答者からは「いつでも同じスタイルで投資すると決めている」(40代・女性)、「物価上昇が気になる。預貯金金利は低いので、株式で利回りを確保したい」(50代・男性)、「割安感はあり、あえて売ろうという意識はない」(40代・男性)──などの指摘があった。

 他方で、「今回は株式投資を見送る」との答えからは「この1─2カ月の間に相当額の損失をこうむったため」(70代以上・男性)、「相場見通しは悪い」(50代・男性)、「しばらく様子を見たいから」(50代・男性)──などの声があった。

 昨年のこの時期は、景気拡大や好調な企業収益を背景に冬のボーナスが増加するとの観測が報じられていた。当時このニュースを材料に株式投資を増やすか否かを聞いたところ、「この材料では株式投資を増やせない」が51%と最も多く、その後に「株式投資を増やしたい」(31%)、「分からない」(10%)、「株式投資を減らしたい」(8%)が続いた。数値は厳密に比較できないものの、今年も投資マインドは盛り上がりに欠け、停滞していることが読み取れる。

 <12月末日経平均株価の予想中央値1万6000円、3月末は1万6850円>

 12月末の日経平均株価の予想を聞いたところ、予想中央値は1万6000円となり、昨年の大納会の終値1万7225円83銭を下回るとの見通しが示された。全回答の内訳をみると、42%の回答が1万6000円─1万6999円のレンジに集中した。このほか、約31%の回答が1万5000円─1万5999円のレンジに集まり、約16%の回答が1万4000円─1万4999円に集まったことが分かった。1万7000円─1万7999円は約7%にとどまった。

 また、08年3月末の日経平均の予想中央値は1万6850円となり、今年3月末の終値1万7287円65銭を下回るとの見通しが示された。内訳をみると、約33%の回答が1万7000円─1万7999円のレンジに集中。それに次ぐ26%の回答が1万6000円─1万6999円に、約14%が1万8000円─1万8999円と1万5000円─1万5999円のレンジに集まった。 

 <個人投資家DIは大幅悪化、2カ月連続で最低水準更新>

 日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DIはマイナス48となり、前月のマイナス22から大幅に悪化した。前月に続き2006年1月の調査開始以来、最低の水準を更新し、投資マインドが急速に悪化している。

 年齢別にみると、「弱気」の割合は「50代」(82%)で最も多く、「60代」(75%)がそれに次いだが、全ての年齢層で60%超となり、「強気」の割合を大幅に上回った。

 「弱気」な回答からは「サブプライム問題絡みの損失が今後も膨らむ懸念有り」(40代・男性)、「外需依存型の経済だから」(20代・男性)、「中国は五輪の建設需要が一段落して、外需主導の景気もピークを打ちそうだから」(40代・男性)、「円高、原油高などで将来の企業業績が不透明」(60代・男性)、「政局が不安定」(40代・男性)──などの指摘があった。

 一方「強気」な答えからは「業績に比べて売られ過ぎ」(30代・男性)、「日本企業の基礎体力が強く、新興国の経済が好調」(60代・男性)──などの声が出ていた。

 業種ごとの投資姿勢(「強気」から「弱気」を引いたDI)を調べたところ、8業種のうち6業種が前月よりも悪化し、軒並み調査開始以来の最低水準を更新した。改善したのは薬品・健康、サービスのみだった。

 「現在、投資したい/投資資金を増やしたい株」(複数回答)では、成長株、国際優良株などへの投資意欲が低下し、割安株の上昇が顕著だった。

 「現在、投資しようとしている/投資金額を増やそうとしている金融商品」(複数回答)では、預貯金の人気が上昇し、調査開始以来の最高水準となった。一方、国内株式の人気が低下し、前月に続き調査開始以来の最低水準を更新した。このほか、外国株式、株式投信、商品相場などに対する関心が低下した。

 株式投信と答えた回答者にどの国・地域への投資を考えているか質問したところ、北米、ユーロ圏、ユーロ圏以外の欧州の人気低下が目立った。日本と北米は調査開始以来最低の水準となった。北米の比率は最も低かった。インドは50%超と最も高い水準だが、前月に比べて人気が低下した。前月より上昇したのはアジア・オセアニアやブラジルなどだった。

 「現在、外為証拠金取引をしているか、もしくは将来やりたいと思っているか」との質問に対し、30%が「はい」と回答。「いいえ」の回答が70%を占め、小幅な変化にとどまったが、数値からは直近数カ月で人気が徐々に低下していることが読み取れる。

 *ロイターCO.JPの個人投資家向けメールマガジン購読者は、年収500─799万円が32%と最も多く、1千万円以上が26%。会員が株式投資をする頻度は1カ月に1回が32%と最も多く、1週間に1回が22%となっている。

 今回の回答者の金融資産残高(除く不動産)は、500万円未満と1000─1999万円が22%で最も多かった。次いで、500─999万円が19%、2000─2999万円が12%、3000─4999万円が11%、5000─9999万円が10%、1億円以上が4%だった。

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