[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、7月の経常収支は4167億円の黒字となった。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は4442億円程度の黒字だった。貿易収支が赤字幅を拡大したが、第1次所得収支の黒字幅が拡大し、2カ月ぶりに黒字となった。ただ、前年比では30.6%減と経常黒字幅は縮小した。
このうち、貿易・サービス収支は1兆2871億円の赤字だった。
貿易収支、サービス収支とも前年に比べ赤字幅が拡大した結果、貿易・サービス収支も赤字幅を拡大させた。
貿易収支は8281億円の赤字で、前年に比べ379億円赤字幅が拡大した。
サービス収支は4590億円の赤字。「旅行収支」が訪日外国人旅行者数の増加などで4月以来3カ月ぶりに黒字となったが、知的財産権等使用料の支払いなどで「その他サービス収支」の赤字幅が拡大。全体では前年に比べ赤字幅が拡大した。「その他サービス収支」の押し下げに寄与した知的財産権等使用料は7月に支払が集中するため、季節要因が高そうだ。
所得収支は証券投資や直接投資の収益からなる第1次所得収支が1兆8531億円の黒字、第2次が1493億円の赤字だった。
第1次所得収支は、証券投資収益は減少したが、直接投資の配当金などの受け取り増で直接投資収益が増加したことから、前年に比べ503億円(前年比2.8%増)黒字幅が拡大。7月としては、比較可能な1985年以降で最大の黒字幅となった。
*内容を追加します。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」