[パリ 3日 ロイター] - フランス広告大手ピュブリシス・グループPUBP.PAは、デジタル広告を専門とする米サピエントSAPE.Oを現金37億ドルで買収すると発表した。北米市場やインターネット広告での成長加速を目指す。
ピュブリシスは5月に、米広告大手オムニコム・グループOMC.Nとの合併計画を撤回しており、同社のモーリス・レビ最高経営責任者(CEO)は、最近の業績不振は合併撤回が要因との見解をこれまで示している。
サピエントに対する1株当たりの買収額は25ドルと、前週末の終値に44%上乗せした水準。アナリストの一部は、買収価格は高過ぎで、現金の分配を狙っていたピュブリシス株主の落胆を招く可能性があると指摘しており、3日の序盤取引でピュブリシスの株価は一時5%下落した。
レビCEOは、「この案件はピュブリシスの未来を確かなものにするために極めて重要」と強調。「単に自社株買いを実施するよりも、投資して成長力と利益を高め、格付けの見直しにつなげるほうが、はるかに優れた行動だ」と述べた。
「この買収によって成長加速の基礎が築かれることになる」と付け加えた。
ピュブリシスの経営陣と監査役会は全員一致で買収案を支持。サピエントの取締役会も支持を表明しており、株主に買収に応じるよう勧告する意向。サピエントはナスダック市場から上場廃止となる見通し。
買収手続きは来年の第1・四半期に完了するとみられる。
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