[ジュネーブ 16日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のジョルダン総裁は、スイスフランの対ユーロ相場の上限撤廃に対する反応は行き過ぎているとの見方を示した。スイスのル・タン紙とノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)紙とのインタビューで語った。
総裁は「為替に過剰な動きが見られる」と指摘。その上で、スイス中銀の今回の措置が大きな影響を与える可能性があることは認識していたとし、市場が均衡した状態に戻るにはしばらく時間がかかるとの見方を示した。
ここ数日、各国中銀の政策の相違が一段と鮮明になったことでスイスフランの上限維持は不可能だと確信するようになったと述べ、「為替介入は、守るべき経済的利益があることによって正当化される。目的が維持できず正当化されないならば、続けることは不可能だという結論に達した」と明らかにした。
上限撤廃のための条件について長い間議論したとし、ここ2週間に見られたように、主要中銀の金融政策の相違によって上限維持のために介入拡大を迫られたこともそうした条件のひとつだった、と述べた。
その上で「スイス中銀がこの政策を継続していたら、長期的な金融政策をコントロールしきれなくなるというリスクが生じていた」と語った。
持続不可能な上限を維持しようとすれば中銀の信頼性が問われることになるとし、上限を撤廃し、批判を受ける方が適切だと述べた。
*見出しおよび本文の総裁名を修正しました。
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