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アングル:米中小製造業者がドル高の矢面に、国内景気回復は支え

[シカゴ 9日 ロイター] - 米国の中小製造業者がドル高の矢面に立たされようとしている。各国で業務展開する大手は経費が現地通貨建てで事実上の為替ヘッジとなっているが、米輸出の約3分の1を担う中小業者はドル高で競争力が低下するためだ。

 2月9日、米国の中小製造業者がドル高の矢面に立たされようとしている。2013年5月撮影(2015年 ロイター/Soe Zeya Tun)

ドルは昨年12月半ば以来、主要通貨に対して7%、対ユーロでは10%近くも上昇。ユーロは先月26日に1ユーロ=1.11ドルと11年ぶりの安値に沈んだ。その後ロイターが為替ストラテジストを対象に実施した調査では、ユーロが1年以内に対ドルで等価かそれ以下に下落する確率は33%程度との予想が示された。

シカゴの鉄鋼会社ラファム・ヒッキー・スティールのビル・ヒッキー社長は毎朝真っ先にテレビでドル相場を確認している。6カ所の工場を運営し従業員600人を抱えるヒッキー社長は、まだ人員削減に踏み込んではおらず、失った事業を穴埋めしようと新規顧客を開拓中。ただ社長は、得意先であるキャタピラーCAT.NやディアDE.N、大手自動車メーカーなどにドル高が及ぼす悪影響を危惧している。

キャタピラーのダグ・ オーバーヘルマン最高経営責任者(CEO)は先月末のアナリスト向け電話会議で、日本や英国、ドイツの競合他社が「米企業に対して相当優位に立っている」と述べ、ドル高への懸念を表明した。

ユーロの急落は比較的最近のことなので、本当の痛みが来るのはこれからだとの見方もある。

一方、原油やコモディティの価格下落でドル高の影響が判別しにくくなっているとの指摘もある。

インディアナ州製造業者協会のパトリック・キーリー会長は、最近の役員会ではドル高問題は議題の1つでしかなかったと指摘。「流動的な要素が多く、結論を出すには早すぎる」と述べた。

ボルティモアを拠点とするマーリン・スティールのドリュー・グリーンブラット社長も自社の事業にとってはドル高よりもユーロ圏の需要の弱さの方が大きな懸念材料との見方。「顧客から製品の価格が高すぎるという声を聞いたことはない」と話す。

グリーンブラット社長は米経済が力強く回復して欧州の販売不振を補うとみており、今年の売上高も昨年の550万ドルから700万ドルに増えると見込んでいる。新たなロボットの導入、工場敷地の拡張、新規雇用などに200万ドルを投じる計画だ。

全米独立事業者協会(NFIB)のチーフエコノミスト、ビル・ダンケルバーグ氏もグリーンブラット社長と同じ立場で、「米景気拡大が支えになる」と述べた。

それでもダンケルバーグ氏は、ドル高が一過性ならば米製造業者の顧客が取引先をすぐに変えることはないだろうが、ドル高が長引けば打撃は大きくなると予測。「米国製品は割高で当面その状態が続くことが明らかになれば、顧客は取引先を見直し、米製造業者にも影響が及ぶ」と述べた。

(Nick Carey記者)

*見出しの表現を修正して再送します。

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