[ヒューストン/ワシントン 9日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は9日、連邦準備理事会(FRB)は早めに利上げに踏み切り、その後は徐々に金利を引き上げていくのが望ましいとの考えを示した。
金融引き締めに積極的なタカ派として知られるフィッシャー総裁は、3月末に退任する。
総裁は退任前の最後の講演で、早い段階で利上げを行わずに将来急激に金利を引き上げることはリスクを伴う、と指摘。「遅い段階での急激な利上げよりも、早期のゆっくりとしたペースの利上げのほうが好ましい」と述べた。
賃金の伸びが鈍いことについては、賃金指標は遅行指標として懸念しない姿勢を示し、エネルギー価格が安定化すれば、インフレ率が上昇すると予想した。
また、経済が現在のペースで成長し続ければ、年末までに失業率は約4.5%に改善するとの見通しを示した。
講演後、総裁は記者団に、自身のFRB改革案が上院銀行委員会の目にとまったと語った。
同委員会のシェルビー委員長は前週、FRB改革が委員会の今年の最優先事項と述べている。
フィッシャー総裁は2月、ニューヨーク連銀(NY連銀)を連邦公開市場委員会(FOMC)の固定投票メンバーから外し、他の地区連銀とともに輪番にすることなどを盛り込んだFRBの構造改革案を提示した。
総裁は、米銀の監督を、NY連銀以外の11の地区連銀出身者に移管することで規制の呪縛(じゅばく)の問題を解決できるとの見解を示している。ただ、9日は、ダドリーNY連銀総裁は現行の体制を受け継いでいるだけと擁護し、「(ダドリー総裁)とニューヨーク連銀はよくやっている、とわたしが考えていることをはっきりさせたい」と記者団に語った。
*内容を追加します。
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