[ニューヨーク 10日 ロイター] - 10日のニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。欧州、日本、中国などで景気減速の兆候が見られるなか世界経済への懸念が台頭、安全通貨と見なされるドルが買われた。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.5%高の85.842。ただ週初からは下落しており、週間としては13週ぶりに下落。週間の下落は6カ月ぶりの大きさとなった。
ドル/円JPY=は横ばいの107.80円。ただ、週間では7カ月ぶりの大幅な下落となった。
テンパス・コンサルティングの為替ストラテジスト、アンドリュー・ディルズ氏は、「米国で(来年)下半期に利上げが実施されるとの見方が強いなか、欧州を含む他の地域では随所で経済成長の腰折れが見られている」と指摘。「(金融)政策の方向性に相違が出ていることで、この先もドル高になると予想される」と述べた。
一方、ユーロは特にドイツの景気減速に対する懸念から下落、終盤の取引でユーロ/ドルEUR=は0.6%安の1.2614ドルとなっている。
ユーロ圏経済への懸念が意識されるなか、この日は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、ユーロ圏経済の勢いが弱まっていることで域内の民間投資がさらに圧迫される恐れがあるとの見方を示した。
ドル/円 終値 107.63/65
始値 107.80/81
前営業日終値 107.83/85
ユーロ/ドル 終値 1.2627/32
始値 1.2628/29
前営業日終値 1.2689/94
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