[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は20日、インフレが抑制されていることで連邦準備理事会(FRB)は緩和縮小に着手する時期を忍耐強く決定できるとし、物価圧力が上向くまで縮小開始に賛成しないと述べた。
同総裁は当地で行った講演で「インフレは向こう数四半期に上向くと予想しているものの、連邦公開市場委員会(FOMC)が緩和縮小を決定する前に、その証拠を確認したい」と述べた。
FRBは17─18日のFOMCで月額850億ドルの資産買い入れ規模の維持を決定、緩和縮小は見送った。
ただブラード総裁は、雇用者数と失業率に関する統計がさらに改善すれば、FRBが緩和縮小に踏み切る公算は大きくなると指摘。「労働市場に関するこれら2つの重要な指標が改善を続ければ、緩和縮小の可能性は高まり続ける」と述べた。
同総裁は今年のFOMCで投票権を持っており、今回のFOMCでは買い入れ規模の維持に賛成票を投じている。
ブラード総裁は今週のFOMCでの決定について、2013・14年の成長率予測やインフレに関する見通しを下方修正せざるを得なかったことで、6月に当局者が示していた下期の景気加速に対する自信に疑問が生じたと説明。「FOMCは通常、こうした状況で緩和の手を緩めることは望まない」と述べた。
2012年9月以降、米マクロ経済動向で大きなサプライズとなっているのはインフレの低迷だとも指摘した。
さらに、6月と9月にFRBの資産買い入れをめぐる見通しの修正を迫られ、市場が大きく動いたことに関連し、「こうした事例は、資産買い入れペースに関する見通しの変化が通常の金融政策と同様の機能を果たすことを如実に示している」と述べた。
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