[東京 9日 ロイター] カルビー2229.Tは9日、中国でスナック菓子製造に参入すると発表した。康師傳方便食品投資(中国)と伊藤忠商事8001.Tの3社で7月をめどに製造会社を設立、2012年度中の工場稼働・商品販売を予定している。
カルビーの松本晃会長は会見で「天津のほかにも3社設立し、全中国に広げたい。18年3月期には(中国での)売り上げを500億円程度にしたい。営業利益は10%は確保したい」と述べた。
康師傳の魏應州董事長は「中国のスナック市場はこれから、GDPの2倍の成長になる」とし、高成長が続くとの見通しを示した。
伊藤忠によると、中国のスナック菓子市場は1500億円とも言われ、年平均10%以上で成長している。今後も2桁成長が見込まれる中、合弁会社は、事業開始から5年以内に市場シェア10%の獲得を目指している。
合弁会社は「天津カルビー食品」。資本金は2000万ドルで、カルビーが51%、康師傳方便食品投資が45%、伊藤忠が5%を出資する。設立は2012年7月、事業開始は12月を予定している。松本会長は「12月には第1号の商品を出したい」と述べた。当初は、かっぱえびせんや野菜スナックのサッポロポテト等になる見通し。販売は康師傳の販売網を活用する。ポテトチップスの製造については、馬鈴薯の1年を通じた安定調達が必要なため「3年程度先になる」(松本会長)という。
康師傳の魏董事長は「食品は地域性が強いもの」として、両社であらたな商品を共同開発することも考えるとした。
康師傳方便食品投資は、伊藤忠が出資している頂新ホールディングスの傘下企業。今回のスナック菓子製造事業への参入は、伊藤忠が頂新グループと展開している中国での食品・小売り市場への取り組みの一環。将来的には、合弁企業への馬鈴薯等の原料供給も目指している。
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