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日経平均は6日続落、追加緩和見送り後の円高で9500円前半

[東京 10日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は6日続落した。日銀が金融政策決定会合で現状維持を決めた後、追加緩和見送りに失望して円高/株安の動きが強まった。

4月10日、東京株式市場で日経平均は6日続落した。写真は都内の株価ボード。2010年11月撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演で量的緩和第3弾(QE3)を示唆する発言がなかったことから円安基調となり、前場は主力輸出株が相場をけん引、しっかりの展開だった。株価については調整との見方に変わりはなく日経平均9500円台を維持したが、1万円回復にはきっかけとなる材料が必要だとの声が出ている。

東証1部騰落数は値上がり599銘柄に対し、値下がり929銘柄、変わらずが146銘柄だった。

前日の米国株式市場でダウ工業株30種.DJIが売り一巡後に下げ幅を縮小したことや米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演で量的緩和第3弾(QE3)を示唆する発言がなく、安定した円安基調となったことから東京市場はしっかりの展開が予想されていた。バーナンキ議長は、米経済について、金融危機の影響から全面的に回復したと言える状況には依然程遠いとの認識を示し、監督当局は銀行システムを強化する新たな方法を見つける取り組みを継続すべきと指摘した。

外為市場で円安基調で安定したことを背景に、東京市場は序盤から自動車株などが買い戻された。市場では「為替が落ち着いた値動きとなり、自動車などの輸出株が値ごろ感から買われている。休み明けの香港市場が下げ渋るなど海外市場の落ち着きも市場心理の安定化につながっているようだ。今後は日米企業決算の発表とともに個別株物色が強まるとみている」(東洋証券ストラテジストの檜和田浩昭氏)との見方が強まった。

日銀の金融政策決定会合で、現状維持の方針が正午過ぎに発表されると、先物市場で追加緩和への期待感を背景に買い進めていた投資家が投げ売りに転じたという。先物の下落で現物も後場には売りが強まった。ただ、ドル/円が下げ渋っていることで売りも限定的で、9500円を維持した。大手証券の株式トレーダーは「次回への期待感が残っているため」と述べた。

その後、外為市場でドル/円が81円前半、ユーロ/円が106円後半と円が主要通貨に対し強含んでいることから、下げ渋っていた株価も前日終値を割り込んだ。国内証券ディーラーは「円安基調で安定していれば今後は業績相場になるが、足元のように再び円高に戻ると金融相場が意識される。1万円回復には、円安プラス何かきっかけになる株買い材料が必要だ」と指摘している。

一方、新興株式市場も軟調な動きが続いている。ジャスダック、マザーズとも前日終値を上回って推移していたが、日経平均がマイナス圏に転落してからは弱含みとなっている。マザーズでは売買代金トップのサイバーエージェントのほかエイチーム3662.Tが売られ、軟調相場となった。

個別銘柄ではカルビー2229.Tの値動きが目立った。4月5日の上場来高値4330円を更新し、4645円まで上値を伸ばした。中国でスナック菓子製造に参入すると発表したことを好感。同社は康師傳方便食品投資(中国)と伊藤忠商事8001.Tの3社で7月をめどに製造会社を設立、2012年度中の工場稼働・商品販売を予定している。対照的にヤマトホールディングス9064.Tは年初来安値を更新し、昨年8月以来の安値を付けた。メリルリンチ日本証券が投資判断を「買い」から「アンダーパフォーム」に引き下げたことが嫌気された。

(ロイターニュース 吉池 威)

*内容を追加します。

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