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金融面の不均衡みられず、金利1%上昇で銀行保有債券に損失6.4兆円=日銀

4月19日、日銀は金融システムレポートを公表し、日本の金融システムは全体として安定を維持しており、金融面の不均衡も生じていないとの見解を示した。写真は昨年2月、都内の日銀前で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 19日 ロイター] 日銀は19日、金融システムレポートを公表し、日本の金融システムは全体として安定を維持しており、金融面の不均衡も生じていないとの見解を示した。

ただ、日本の政府債務残高が拡大を続ける中で、「金融機関が多額の国債を保有していることには留意が必要」と指摘。全年限の金利が1%ポイント上昇した場合の保有債券の損失額は、2011年12月末時点で大手行が3.4兆円、地域銀行で3.0兆円になると試算した。

日銀では、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して強力に金融緩和を推進していく方針を示しているが、その際、「金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、問題が生じていないことを条件とする」としており、そうした金融面での不均衡を金融システムレポートにおいて点検する。

今回のレポートでは、金融面での不均衡について「期待の強気化に起因した不均衡の存在を示唆する指標は観察されない」と結論づけた。信用リスクや市場リスクなどを合わせたリスク量は、全体として銀行自己資本の基本的項目(Tier1) の範囲内に収まっており、Tier1に対するリスク量も減少傾向が続いている。

このうち信用リスクについては、企業倒産の減少や貸出条件緩和債権の要件見直しなどにより、銀行の信用コスト率は低下しているが、中小企業の財務状況は悪化した状態にあるとし、「貸出債権の質に大きな改善は見られていない」としている。

一方、市場リスクに関しては、欧州債務問題の小康などで足元の国際金融資本市場は落ち着きを取り戻しているものの、先行き不透明感が引き続き強い状況に変化はなく、株式・債券市場ともに欧米市場との連動性が高まる中、「今後も海外市場の動向からの影響には注意しておく必要がある」と指摘。特に、預金流入に伴って銀行が債券投資を増加させており、「銀行の金利リスク量は増加している」。大手行では、金利リスクを抑制するため、保有債券の平均残存年限を2年半程度に短期化させているが、長期ゾーンへの投資が多い地域銀行は4年程度。仮に全年限にわたって国内金利が同時に1%ポイント上昇した場合、2011年12月時点で、保有債券の時価損失額は大手行3.4兆円、地域銀行3.0兆円となる。それでもTier1比率の押し下げ幅は、大手行で0.3%ポイント程度、地域銀行で0.4%ポイント程度にとどまる。しかし、地域銀行のうち3割以上が1%ポイントを超える押し下げになるとしている。

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